• に登録
  • エッセイ・ノンフィクション

創作欲が湧くのは大抵何かに影響された時だ

文字を書くとき、突発的に今迄考えたこともない思いが湧いてくれば良いなと思います。ただ、そんなものは殆どありません。大抵、前からずっと考えていたことの焼き直しか、直近で見たものへの感想です。

そして、「書こう」と思う時は、大抵何かによって(悪い意味でも)感動させられた時だと思います。自然になんて湧いてきません。Inputが必ずある気がします。

最近、とあるアニメを見ました。そして、創作欲が湧きました。その内容を引いてみます。

以下、引用――
僕は「運命」って言葉が嫌いだ。 生まれ、出会い、別れ。成功と失敗。人生の幸不幸。 それらが予め運命によって決められているのなら、僕たちは何のために生まれてくるんだろう。

裕福な家庭に生まれる人、美しい母親から生まれる人、飢餓や戦争の真っただ中に生まれる人。 それらが全て運命だとすれば、神様ってやつはとんでもなく理不尽で残酷だ。

あの時から僕たちには未来なんて無く、 ただきっと何者にもなれないって事だけがはっきりしてたんだから。

――引用終わり
輪るピングドラム(2011) 1話冒頭 昌馬

やくしまるえつこが好きなので、OP主題歌である「ノルニル」と「少年よ我に返れ」は好んで聞いていたのですが、本編は見たことありませんでした。結果として、とても面白かったです。僕が生まれる前の大事件を題材にしたものでした。(間違えた、生まれていたけど記憶にないだけでした)

暗喩が多いので頭を悩ませましたが、まとめサイトのコメントや考察を見ながら一緒に考えていくのが楽しいんですよね。

そして、どのキャラクターも魅力的なんです。謎に包まれていて、大体、変態ですね。オレ、変態、スキ。

いやいや、誤解はしないでね。変態は好きだけど、気持ちのいい変態だけだよ。気持ちの悪い変態はノーサンキュー。お引き取り下さい。というか、お縄について下さい。

さて、本編では「運命」という言葉が良く出てきます。もちろん、運命が好きなキャラクターもいます。それを見る度に自分はどっちかなー、とふらふら揺れていました。で、最終的に一番しっくり来たのが上記の内容です。

何が良いって運命の存在に言及していないこと。あるかないかじゃなくて、嫌いって言ってるだけ。これが良いですねー。わー、流石って思ってしまいました。これは僕も何か書きたい!! と思って書いた訳です。

運命は範囲が広すぎて書き切れないので、運命の出会いに的を絞ってみました。運命の出会いって好きですか? ドラマチックですよねー、運命の出会い。あ、僕は偶然の出会いの方が好きです。文句があるなら掛かってこい! 血祭りに上げられるぞ! だから、止めろ!!

でも、考えてみて下さい。運命良いかなー?

お尻にロケット花火を差して自爆する人、腕をクロスさせて自転車のハンドルを握ってこける人、髪の毛が燃えるかどうか確かめたら燃えた人、ペリカンに近づいたら食べられた人、ふと思い立って変な歩き方してたら捻挫した人――。

それらが全て運命だとすれば、神様ってやつはとんでもなく理不尽で残酷ですよね。


エッセイ - とりとめのない思いの随に
第105話 諸君、私は運命的な出会いが嫌いだ
https://kakuyomu.jp/works/1177354054888425664/episodes/1177354054890729073

4件のコメント

  • なとりさん

    しょーちゃん良いっすよねー。面倒見がいいところも、おぉぉぉぉって叫びながらほぼ毎回ボッシュートされるところも、たまに男前なところも。かんちゃんより好きです。すぐに金髪碧眼に変わる感じ(笑)

    プリクリ様も可愛いですけどね。苹果に向かってぺって悪態をつく回が好きです。

    ストーカー含め最初の訳の分からない状態で既に脳内がショートしそうでしたが、ラストに向かうにつれ更に頭にじんじんと響いていく感じに嵌ってしまいました。

    >宿命は生まれ持ったもので、運命は切り開くもの。
    そんな考え方もあるのですね。違いを考えたことがありませんでした。字面をみると確かに、宿るものとさだめですもんね。運ぶとも読めなくはないか。

    >運命はリスクが大きいです。
    そうですよね。それを含めて受け入れるかという話になってくると思います。

    蛇は大抵神聖さも邪悪さも兼ね備えていますが、良い言葉をくれることが多いのですよね。ナンパかぁー。頑張りますか!

    2時間後そこには酒をあおるAskewの姿が!!
  • Askewさん 

    ご贔屓筋も一人去り二人去りの中、
    いつもまめに読んで頂いてありがとうございます
    昨日も押してくださって
    ということを申しあげるためだけに来ました
    ありがとうございます

    冒頭にお書きの

    >文字を書くとき、突発的に今迄考えたこともない思いが湧いてくれば良いなと思います。ただ、そんなものは殆どありません。大抵、前からずっと考えていたことの焼き直しか、直近で見たものへの感想です。

    という一節、
    いとうせいこうと奥泉光両氏も、『文芸漫談』の中で

    おのれの内から湧き上がる言葉なんてない、
    「いいこと浮んだ」「天才じゃないか」と思っても、
    それはおおかた前の日に見た餃子屋の看板の文句かなんかだ、

    と言う意味のことを言っていました。
    「まず他人の言葉から始めよ」
    だって
  • 灘乙子さん

    言葉にするのが下手なので、いつもハートぽちぽちしか出来ていないのですが、灘乙子のエッセイは凄いです。正直、星も伸びないのが不思議なくらい面白いです。

    いちいち言葉選びのセンスが抜群に冴えているんです。
    昨日読ませて頂いた中では、

    緑色の書類を備えるくらいのことしか出来ない
    三畳紀くらい古代のパンツ
    元禄年間くらいの新しいパンツ

    冒頭の「力技」の流れも好きです。

    文章の中に的確な比喩が散りばめられていて、いつも笑っています。これからも楽しみにしています。

    さて、この近況ノートに反応して下さってありがとうございます! 嬉しいです。
    >おのれの内から湧き上がる言葉なんてない、
    >「いいこと浮んだ」「天才じゃないか」と思っても、
    >それはおおかた前の日に見た餃子屋の看板の文句かなんかだ、
    おぉー、やっぱり、言葉を扱っている人もそう考えてるのですね。

    そう考えると、世の中の文章は焼き増しの焼き増し。誰かが感銘したフレーズの引用の引用の引用なのかもしれませんね。「まずは他人の言葉から始めよ」って言うのはその通りですね。

    ただ、伝言ゲームのように微妙にそれぞれの人の中で形が変わっていく。その小さな違いがやがて大きな違いになっていく。それが、面白いのかもしれません。

    僕も多分いつか「カンブリア紀くらい多様性を持ったパンツ」というフレーズを使ってみたいです。
  • Askewさん
    お返事ありがとう存じます
    あんな太古の遺物のくせに中途半端にナイスなヒョウ柄だったりしたぱんつを見られるくらいだったらいっそのことアテントとかでびびらせてやればよかったといまだに残念に思っています。それがぱんつの多様性だ・

    >世の中の文章は焼き増しの焼き増し。誰かが感銘したフレーズの引用の引用の引用なのかもしれませんね
    そうですよね、ほんとに。
    わたしもすぐ影響されるので、しかも影響されすぎてどっから引いてきたのかわからんうちに血肉になってしまって、
    つねに盗用とか言われないかと心配があるのですが、
    コラムニストの山本夏彦さんも言ってました。そういうのはもう「自分の言葉」になったのだから仕方が無い、と。
    あれほどのビッグネームになればそう言ってもOKなのだろう。

    お褒めにあずかり光栄です
    世間の片隅でひっそりやってます。心ならずもな。
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する