掲載中の『その辺境伯の恋には枷がある』を改稿しました。
もともと、本作は3万字程度の短編で書いた後にカクヨムの「その溺愛、過剰です!?」コンテストに出すために恋愛色を(当社比)強くし、コンテスト要項の6万字以内に収めていたものです。
字数の都合で起承転結のボリュームバランスが悪かったように感じていたので、小説家になろうで改稿版(9万字程度)を載せておりました。
が、残念ながら溺愛コンテストには一次落選しましたので、これを機に小説家になろう版に合わせました。
なお、本作は小説家になろうでは『悪役令嬢に仕立て上げたいなら、ご注意を』と改題しておりますが、これについては若干の経緯があります。
もともと本作品は「女辺境伯」という特異な存在が社会でどんな目を向けられるか、そんな「女」の選択とは、といった点にフォーカスしたものでした。王子様は出てきますが、「女辺境伯」として家を守るべき立場を有する者が王子様との恋愛、ましてや結婚なんてするものだろうかと、そんな出発点から『その辺境伯の恋には枷がある』と名付けました。
が、どうやらなろうの世界観では、女性が当主になるのはごく自然なことのようです(感想を読む限り、女だからって当主がナメられるわけがないというのは共通認識としてあるようでした)。また、読んでくださった方が「悪役令嬢にされそうになった令嬢が復讐する話」といった趣旨のコメントをくださり、そうか、このシチュエーションを”悪役令嬢”と呼ぶのかとまたひとつなろうを知りました。
そこで、いわゆるなろう風に紹介するのであれば「悪役令嬢に仕立て上げられた」ということになろうと考え、小説家になろうでは改題して掲載した次第です。
なお、溺愛コンテストに関していうと、改題後のタイトルがしっくりきていたことしかり、まあこれは溺愛はおろか恋愛ものですらないからジャンル違いに等しいなと。私なりに頑張って恋愛ものに寄せようとしましたが、私にはどうしてもこれを”恋愛もの”と呼ぶには違和感があり、それでもなんとか頑張って恋愛っぽくした……ような感じでした。作者ですらそうなのですから、恋愛コンテストに相応しいかなんてお察しですよね。
なお、恋愛色がもっと薄かった短編で「男の関係に嫉妬されて事件が起こり、その事件を解決するために奔走し、最終的に別の男に懸想されるので、起承転結がすべて恋愛に起因するものとして恋愛ものというべき」旨の感想もいただいており、”恋愛”というカテゴリに対して不可解な気持ちも抱いております。私は、男と女がいればまたは男女関係があれば恋愛もの、というカテゴライズは女と恋愛を結び付けているようで好みませんが、カテゴリー話についてはまたの機会に。