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「Cupid shoots to kill」の連載を終えて

久しぶりに近況ノートを書きます。

6月12日から連載を始めた「Cupid shoots to kill」の連載を終えることができました。本当なら連載を始めた頃に近況ノートを書きたかったのですが、その余裕がまるでありませんでした。それでも近況ノートを書いておくべきだという意欲はあり、このタイミングとなりました。

前置きが長くなりましたが、当作品を読んで頂いた方々や色々な形で応援して下さった方々にお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

この作品は、音楽を題材にした作品を募集する公式自主企画に参加したものでした。私自身は音楽を聴くという行為がとても好きで、やらなければならないことがあるのに一時間や二時間くらい音楽を聴いてしまうことが止められない、そんなことがしばしばあります。
しかし、私は音楽を聴く立場でしかありません。あえて内と外という区別をするなら、私は音楽の外に位置する消費者でしかないのです。好きな歌を口ずさんだりということはありますが、楽器はほとんど触ったことがなく、音楽に関連する用語などに関しては最低限の知識があるかどうかすら怪しいのです。
とはいえ、好きな音楽を聴き続けるだけであれば、音楽の外側にいる消費者であろうとも構わない(むしろ、お金を払って音楽を聴くというだけでも、マシな部類になってしまうだろう現状ではあります)はずだったのです。

さて、ご存知のように、私は音楽を題材にした作品を書きました。
率直に言って、非常に難しい挑戦でした。作中では明言していませんが、舞台はアメリカのとある都会。流行っているとは言い難い古びたホテルのラウンジショウ(の前座)に抜擢されたベラドンナという歌手。訪れる困難や新たな出会いによって成長していくベラ。
こうした設定や舞台設定に関して、無理があるのではないかとか、現実にはあり得ないことを書いているんじゃないかとか、そうした不安は常につきまとっていました。自主企画への応募期限は6月20日。私は荒唐無稽であっても構わないから、そこまでに作品を完結させようという目標を立てました。

幸い、下敷きになるような作品がありました。以前に「Cupid」という、やはり一流の歌手を目指す少女が初舞台に立つ、という筋立ての物語を書いたことがあったのです。
そうして新たに書き始めた作品は、最初から歌や演奏の描写をできるだけ排することにしました。その理由の一つは音楽を描く語彙に欠けていること、もう一つはだからこそ最終話で今の自分にできる最大限の描写をしようと考えたのです。そのためにあえて歌うシーンがあってもカットするなどしました。

長々と書いてきて、何だかネガティブなことばかりだったような気がしていますが、今までにない挑戦として面白かったという気持ちは素直に書き記しておこうと思います。20日間という短い応募期間の中で、一応の形を整えることができたことも一つの自信に繋がりました。音楽の外にあるからこそ書ける作品を、私は書けたのではないかと思っています。

最後にもう一度、読者の皆様方にお礼を申し上げます。
本当にありがとうございました。

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