気分が乗ったので、最終話までかけました。
以下は解説と言うなのネタバレなので、読んでない方は本編の方をおさきにどうぞ。
世界観が若干1万文字で説明するには複雑なので伝わりにくかったかも知れませんが、魔法の様な変わった能力を持つ人達が一定数いる世界だと思ってくださいな。
主人公は、記憶喪失でを目覚ましたら見知らぬ人に命を狙われてしまいそれをジェームズと名乗る男に助けられます。
彼こそが、ジェームズこと『マックスウェルの悪魔』の権能持ちです。
マックスウェルの悪魔自体は知名度ある方だと思いますが、永久機関がナントカカントカというあやふやな感じでしょう。
私自身もバリバリ文系なので、完全に知ってる訳ではないですが(本や動画を見たりしてるぐらい)ジェームズ・クラーク・マックスウェルが『存在』と読んだ存在をケルヴィンという人が『マックスウェルの知的な悪魔』と呼び、その一連の思考実験はマックスウェルの悪魔と呼ばれるようになったのかなと思ってます。
この、長いこと科学者を悩ましたなんとしてでも葬り去らなければいけない(何故なら、この悪魔を認める事は第二種永久機関が存在可能と認める事と同意義である故)この悪魔を殺した存在こそ『忘却』すなわち、忘れる事でした。
これこそが、主人公の権能でした。
忘却を司る彼女は、500年毎に記憶を仕事内容の記憶をサッパリ消す事で忘却である自身を人間らしくさせました。
これは今回に限った話ではなく、彼女がオフモードの数日間はマックスウェルの悪魔…ジェームズはこれまでも、正常な思考に戻ってはその数日間を最下層都市でのんびり暮らしてました。
しかし今回は、非権能持ちの人間が彼女を殺す事で、マックスウェルの悪魔がいない事を説明出来なくし、永久機関を作れるのではないか!?という野望に取り憑かれてしまいました。
あの世界でもきっと、エネルギー問題が深刻なのでしょう。
故に、記憶を失う前の忘却はたまた神、もしかすればジェームズの本能…ここは読者にお任せしますが、何者かがジェームズにSOSを送り1話へと話は展開します。
そもそも、忘却がマックスウェルの悪魔を殺したというのはwikiか何かを読んでないと知らない話では有るでしょうが、詰まる所、マックスウェルの悪魔は端的に言うと悪魔が、密閉された2つの空間で好き勝手動きている分子の動きを見て、遅い奴と速い奴に勝手に扉を開閉して分けたという話です。
分子は、固体と気体ではスピードが違う訳ですので、何ということでしょう!外からは何もしていないのに、片方は温度が上がり片方は温度が下がってしまいました!…おかしくね?けど、否定もできないよね?という感じの話です。
水が勝手に気体と氷にはならないよねと言う話です。(より詳しい話は各自で)
これの解決策が、忘却というものでした。
実は、忘却するときにこの悪魔エネルギーを散逸するのです。
自分がした仕事は、忘れる時に使うエネルギーが打ち消してしまいました。
こうして、この悪魔は『存在し得ない』という結論になりました。
そう、マックスウェルの悪魔が間違いと立証するのに100年近くかかっとよく書かれますがこれは、忘却する時にエネルギー(エントロピー)が必要だと判明するのに100年掛かったと言うことです。
気になってる人がいるかは別にして、マックスウェルの悪魔が最下層都市で何故に人型を保っているのか…分かりやすく言えば、周りの人はSAN値0なのに、彼はSAN値一桁みたいな感じですね。
それは彼が、『完全に存在してない訳ではない』からです。
どういうこっちゃ?と思う人も居るでしょうが、そのままです。
地球の周りを回る太陽(地動説)や、海の端の奈落(地球平面説)といった完全に否定された説や、火星人や宇宙人の様にいない可能性の方が高いが…と違い、マックスウェルの悪魔は刹那には存在し得るのです。
先程も言ったとおり、この悪魔は忘れるという行動を起こした瞬間に破綻します。
それ即ち、1度目の忘れるという行動の前まではこの悪魔は存在出来るのです。
マックスウェルはどういう、意図でこの悪魔を世に送り出したのでしょうか?
私は、「確かに永久機関は熱力学第二法則で完全に否定された…けど、この場合はどうすんのよ?出来ちゃくうね?科学者的に可能性は完全に潰さないといけないと思うわけ」的な感じだと思っています。
そもそも、永久機関を完全否定する為に生み出された彼がその野望を阻止する為に宿敵に手を貸そうとしたのも
今を生きる存在として、生きていたいと願った事も
相反する感情ではありましたが、確かに彼の本能だったのでしょう。
ここまで読んでくれた人は居るのかな?
それなら、『永久運動の夢』という永久機関の歴史の本をオススメしてみたり。
マックスウェルの悪魔じゃなくて、永久機関の倒してきた歴史の本だけどよく分からない数式も少なくて読みやすかったので。
マックスウェルの悪魔の本を読む前に、永久機関のことについて見聞を深めよう!