少し嬉しいご報告です。
以前、円つみき様との共同制作について書いた近況ノートに、ムーゴッド様からとても丁寧なコメントをいただきました。
その中で、
「この人の文章で、このアイディアを読んでみたいと思ったことはあるけれど、一歩先には踏み出せていない」
というようなお話をされていて。
それを読んだ私は、ふと思いました。
では今度は、私の作品のバトンをムーゴッド様に渡してみたらどうだろう、と。
そこで、私の短編『フレンチキス』を読んでいただき、
「この二人の続きを、ムーゴッド様の文章で読んでみたいです」
とご相談しました。
最初は、
「原作をぶち壊しそうな流れ」
「期限を限らない形なら完成させたい」
とおっしゃっていたムーゴッド様。
ところが数日後。
「できちゃったの。最後まで。」
そんな追記がありました(笑)
そして完成したのが、
『「フレンチキス」の本当の意味』。
正直、私が想像していた「続き」とはまったく違いました。
私の『フレンチキス』そのものを、作中人物が書いたWEB小説として物語の中へ取り込み、そこから妻、リョウくん、そして「あの人」の人生を重ねていく。
現実と小説が交錯していく、とても不思議な構成でした。
原作を壊されたとは、私はまったく思いませんでした。
むしろ、
「私の書いた物語には、こんな別の入り口もあったのか」
と驚かされました。
『フレンチキス』にあった、
愛妻家であること。
書類を残すこと。
裁判。
大人になってからの、少し遅れてやってきた青春。
好きだからこそ、簡単には一線を越えられないこと。
そうしたものを拾いながら、ムーゴッド様の世界へきちんと作り替えてくださっています。
そして何より嬉しかったのは、最初は円つみき様との共同制作を「素晴らしい挑戦」と見てくださっていたムーゴッド様が、今度はご自身でその輪の中に入ってくださったことです。
最初はコメントから始まったご縁でした。
それが、
「この人の文章で読んでみたい」
から、
「では書いてみましょう」
になり、
本当に一つの作品になりました。
物語というものは、自分一人で書いているつもりでも、ときどき誰かの手に渡って、自分では思いつかなかった場所まで歩いていくものなのかもしれません。
ムーゴッド様。
『フレンチキス』の続きを、ではなく、
『フレンチキス』から生まれた新しい物語を書いてくださって、本当にありがとうございました。
そして、あとがきにあった、
「春風様には、本当に良いチャンスをいただきました」
という言葉。
こちらこそです。
私の方こそ、とても面白く、そして嬉しい経験をさせていただきました。
素敵な作品を、本当にありがとうございました。
春風あくび