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「77・77」と洒落てみました。大谷さんの「50・50」と比べたら、天道さんと番頭さんほど違うんだけれど、ね。  

今日、老婆のローバは77才になりました。「喜寿」です。お目でたいお祝いの日なのでしょうが、今は残念ながら地味~に大人しく布団の上に横たわっています。
昨日退院してきたばかりのローバは、更にこれから1週間、ほぼ横になって過ごす日々が続きます。
緊急入院して10日間、病院では室内のトイレに行く以外は、ずっとベットで横になっておりました。

退院後も家では24時間の内20時間は、足を高くして過ごすことと言われたので、この状態は点滴が無くなっただけで入院の時と余り変わりません。トホホです。まっことトホホであります。
何がトホホかといえば、入院する羽目になった原因がトホホなのであります。

病気にかっこの良し悪しはないでしょうが、入院の原因があまりにも情けなくて恥ずかしいので、公表しないでおこうかなと思いました。けれど、いやいやずっこけローバのエッセイのネタには好都合であるからと考えて「ローバが水虫になりそこから大事に至って、緊急で診てもらい即入院することになった」という、情けない涙の物語を、次回に書いてみたいと思います。


今回の第77話は入院の数日前に書き終わっていたものですが、そんな訳で投稿出来ずにおいてありました。放置していたお蔭で退院の翌日の77才の誕生日に、偶然にも「77・77」の達成となれました。だからどうだ!ってほどのものじゃないのですけど「内容は無いよう、でも77・77だよぉ」とちょっと洒落てみました。


**当分は足を高くしていなければいけないし、あちこち動き回らないようにと言われていますので、ほぼ寝たきり状態です。
ヨムヨムだけで書くことはちょっと大変なので、コメント頂いてもお返事はずっと後ほどになってしまうかも知れません。お許しくださいませ。

「77・77」の第77話はこちらです。
ラッキーな数字だというだけのものですが、宜しかったらお付き合い下さいませ。

https://kakuyomu.jp/works/16817139555147818343/episodes/16818093085942884623

32件のコメント

  • まあ、たぶん、蜂窩織炎になられたのでは?
    けっこう、水虫からなる方がおられます。

    今は安静にされるのが大切ですね。

    お熱も出たでしょうね。
    お好きな物を食べて、体力を快復されるのを
    祈っております。☺️
  • ピンポーン‼️ 大正解であります。流石ですね。

    40度近くの熱が何日も続き、痛み止め飲んでもなかなか効かなくて、激痛に苦しみました。

    下肢蜂巣炎なんて言われても
    聞いたことがなくて、丸太ん棒のような足を見ながら唸って過ごしていました。
  • 近況読んでびっくりしました!💦
    うわ〜💦ご自愛くださいね💦

    動けない時はスマホでカクヨムしまくるしかないですね😭
  •  調べてみました。
     怖い病気です。

     しっかりと、治療して復活してください。

     待っています。
  • ローバちゃん、こんにちは😊

    77歳のお誕生日おめでとうございます💐🎂

    最近、姿を見なかったので心配してたんですよ。
    入院されてた聞いてビックリです。
    私の一番上の姉も土曜日に胆石で入院したと聞いたばかりで私も気を付けなければと思っていたところです。
    歳を重ねると色々身体の問題が出てきますよね。
    今はご無事で退院されたのなら良かったです。
    が、急に寒くなってきたので冷えないようにしてゆっくり静養して一日も早い回復を祈っています。
    まだまだ無理をされませんように!
    お大事に!
  • 東雲晴加さま

    そうですね。動けない時はヨムヨムで楽しむ、いいですね。
    ずっと入院中は朗読聞いてヨムヨムして、大谷さんの応援して過ごしました。

    年なんですね、抵抗力がなく大事にいたったようです。
    大人しく養生するしかありません。
  • ramiaさま

    水虫恐るべし❗️です。
    高齢で抵抗力がなくて
    大ごとにまで発展?したようです。
    近くの皮膚科で塗り薬をもらっていたんですけどね。
    バイ菌が入って下肢蜂巣炎というものになってしまいました。
    悪くすると敗血症になるそうで、そう聞いた時はビビリました。
    母の最期は敗血症でしたのでね。

    77歳、もういつ何かあってもおかしくない年です。
    これを機に自重していかなければ、と心底
    思いました。
  • 大変でしたね。と、過去形ではないのですね。入院はお疲れになったでしょう。わたしも入院したことがありますが、帰りたいのに体が辛くて動けなくて、イヤホンで音楽ばかり聴いてました。どうぞお大事になさってください。77・77、きっと特別にラッキーなことが起こりますね😊
  • ローバ様

    入院されていたのですね。
    退院、おめでとうございます!
    そして
    お誕生日、おめでとうございます!

    絶対安静ではパーティーを開く訳にはいきませんが、お大事になさってくださいね!
  • この美のこさま

    のこちゃん、水虫に殺られました。恥ずかしいやら悲しいやら。
    どうせならもっと美しい響きの病名で入院したかったな、とバカなこと考えています。
    でも今回も入院で色んなエピソードがエッセイのネタになれたと、よい方に考えて横になりながら次の更新のこと考えています、
  • 来冬 邦子さま

    そうなんです、現在進行形なんです。
    あまりの痛さに、退院したいと思うどころか、ずっとこのまま完治するまで入院お願いしたいです!と思いました。

    今は点滴していないだけで、入院の時と同じような状態で過ごしています。
    スマホでポチポチとしか文を打てないので残念至極です。

    ホント、7がいっぱいでラッキー❗️いいことあったじゃないか、ってなれますように‼️と欲張っています。
  • 小烏 つむぎさま

    折角の誕生日なのに、って残念な気もしましたが、いや高齢になると誕生日を迎えられるだけでも有りがたいことと思いました。

    お節介にもつむぎさんのお義母さまの健康を心配している私でしたが、アホでした、自分が元気いっぱいって過信していたんですからお笑いですよね。

    安静にしてなさい、ってきつく言われてもついちょっとした家事をやろうとするんですよ。
    お義母さまが骨折完治されないのに雑草が気になって動かれてるのかよくわかります。
    暫くは横になって過ごします。
  • こんばんは

    入院も大変でしたが、その後も大変そうです
    ご自愛ください

    水虫ですか? そこから?
    うちの父も長く水虫でした(民間療法に頼ってバカみたいで、医者に行ったらすぐ治ったという)
    私もそれがうつったのでしょう、水虫になったことあります
    つまり私が医者いってすぐ治ったのを見て、父もそりゃいいといった次第という

    お誕生日、おめでとうございます!!
    それを喜びましょう!!
    確かに77並びは縁起がいい♪
  • @ 88chama AKAローバ様、

    しばらく書き込みが見当たらないので、何かあったのかと心配してました。入院されていたのですね。これは大変でした。退院されたことを読んで安心しました。

    お誕生日と、77-77達成おめでとうございます。
  • 喜寿!おめでとうございます♪

    そしてなんだか大変なご様子(゚ω゚;)
    お大事になさってくださいm(_ _)m
  • なんでも、ネタにするんですね!🤣
  • 林風さま

    そうだよ~ん!なんちゃって (^_-)-☆
    よく転んでもただ起きない、っていうじゃない?
    だから私もみんなネタにして「災い転じて福となす」みたいに、困ったことでもそれをちょっとでも良いことに変えられるように、と思うことにしているんです。
  • 歩さま

    話せば長くなってしまいますが、窮屈な靴(気に入っていた)で蒸れて皮膚炎になり、治療して治ったとなめてかかっていたらそこにポツンと水虫がでて・・そこから悲劇?が始まりました。
    早め早めに皮膚科に行っていたんですけどね、高齢で抵抗力がないのがいけなかったみたいです。

    こんな状況下での誕生日でも、誕生日を迎えられたことはありがたいことと、大いに感謝しています。
    77才、ラッキーな年になりたいものです。
  • @fumiya57さま

    ローミちゃんがお友達と喧嘩したこと、でもとても仲良しさんになって遊んでいること。
    クッションをソファーから落としてママに拾わせる遊びがお気に入りになっていること・・
    そんな近況ノートを拝見して楽しんでおりました。
    可愛い盛り・・博士の目じりは下がりっぱなしなのでは?
  • 大木げんさま

    ありがとうございます。
    喜寿。お目でたい筈の子の誕生日を情けない状態で迎えました。
    でも生きていられただけで丸儲け?(変な表現ですが😅)です。
    もう少し後になれば笑い話となれましょう。
    77、ラッキーセブンになれますように、と願っているローバです。
  • 今現在も大変な状態が続いていると伺って、コメントを入れることで負担になるのではないかと思っておりましたが、やはり書かせていただきますね。

    この度はご退院おめでとうございます。
    ご家族の皆様も、さぞ安心なさったことと存じます。
    ご自宅に戻られましても養生専一にお過ごしいただき、一日も早くご回復なさいますよう心よりお祈り申し上げます。

    そして、「喜寿」77歳のお誕生日、おめでとうございます。
    ラッキー7なローバ様。この一年が素敵な日々になりますように❣️
      ✨🍾♪(۶⁼̴̀ꇴ⁼̴́)۶┌iiii┐٩(⁼̴̀ꇴ⁼̴́٩)♪🎉✨
  • 更新がないな と思っていたら 突然
    一気読み&いいね を頂き あれ?
    と思ってましたら…

    大変でしたね 最初は誰でも軽く見る症状ですものね
    でも無事のご退院 本当に良かったです

    七五三と同じように 還暦や古希も厄年払いだといいますが
    もうこれで 喜寿の厄は 根こそぎ払い終わりましたよ
    あとは 早く良くなって楽しむ以外の道はありませんぞ

    末筆ながら
    ハッピーバースデー ローバ!! 
        

    蛇足ながら
     サンセット77 をちょっと思い出しました
      ロジャームーア 覚えてますか?
     私は サーフサイド6 のトロイドナヒュー推し
     でしたがww 
  • 花京院 依道さま

    退院と誕生日の2つのおめでとうに、ありがとうございますと申し上げます。
    ド心配いただきまして恐縮です。
    入院中は花ちゃんのお参りに便乗して、こっそり心の中で合掌しておりました。
    ずっこけ道中に楽しませて頂けました。ありがとうございました。
    可愛い絵文字、どうやって作るんだろうなんて、暇なもので考えたりもしていました。上手ですよねぇ、ホントに!!

    お蔭さまで今は家でのんびり、といってもやはり、ちょっとしたことで動いてしまって娘に怒られていますが・・
  • 追記 ド心配って何? ですよね。足を高くして不自由な姿勢で打っているので、変な文字になることもしばしばなのです😅
  • 真留女さま

    そうなんです。急遽入院ということになり、ベットに横になり点滴しながら、ヨムヨム三昧の10日間でした。
    そこまで行く前にも1週間ほど辛い状況にありましたから、1話書き終えていたものも更新できないでそのままになっていました。


    激狭昭和シリーズ、面白くてどんどん読み進めていて、同じ気持の感想も送りたいけどこの状態ではヨムだけしかない、と歯痒い思いをしておりました。
    しかしまぁ、よくもまぁ、何とまぁ・・こんなにも詳しく昭和の貴重な出来事を覚えていらっしゃる、よくぞお婆様などから聞かされた古いお話を覚えていて下さったと、感激するやら感謝するやら、凄いなぁとビックリいたしておりました。

    ポツンと水虫。侮ってはいけませんね。高齢になると色んな菌を拾って、抵抗力が無いせいで大事にいたってしまうと言われました。
    丈夫な身体と過信していたのでバチがあたりました。
    これを機に注意せよ、との天の声だと思い自重して暮らそうと思っております。

    サンセット77、ありましたねぇ。見ていたけれど残念ながらそれほど記憶には残っておりません。
    77、ラッキー7ではあるけれど、77・77で余りにも7があって欲張り過ぎだったかな?
  • こんばんは。ローバ様。
    コメント返信を頂いて驚いて伺いました。
    入院されていたのですね。存じ上げず申し訳ありません。
    コメント欄で皆様、77ー77って書いてあってなぜ?ってなってました。早く伺えばよかったです。ペコリ。
    (近況ノートは通知が来ない設定なんです)
    退院おめでとう㊗️ございます。

    そして、さらに驚いたことがあります。

    以前、ローバ様は私の母親と同じ年齢だということはお伝えしました。
    なんと、なんと誕生日も同じでした!!
    同じ年の同じ日に産声をあげたローバ様
    お誕生日おめでとうございます🎉🎊🎂
  • 星都ハナスさま

    何という偶然!
    世の中には77才10月21日生まれの人はごまんといるでしょうけど、ハナスさんのお母さまと同じとは!嬉しい限りです。

    入院のことはね、カクヨムの皆さんは本当に優しい方ばかりで、とても心配して下さるんですよね。
    ましてやローバのように、こんな超高齢者ともなるとどれだけ心配をかけてしまうことかと考えて、いつも退院してからの報告となっているのです。

    でも、今回のように余りにも更新が途絶えると、これもまた何かあったのかなって心配して頂くようにもなりかねません。
    どちらにしても心配の対象になって、それだけ気にかけて頂いているということですよね。
    ありがたいと思って感謝しております。

    お母さまも喜寿のお祝いですね。こんな情けない喜寿のお祝いではなく、お元気で皆さんにお祝いして頂いて、いつまでも元気で長生きしましょうね。
    ありがとうございました。
  • ローバちゃん。

    入院中とお聞きしていますが、その後いかがでしょうか?
    ローバちゃんの洒落っ気たっぷりのコメントが聴けなくて寂しいです。
    しっかり治療に専念して一日も早く元気で退院されますように!
    回復に向かっていることを祈っています。

    ろーばちゃん。
    入院中にもかかわらず、私の拙作『想いの花束💐夢紡ぎのアルバム』第2弾に訪問して頂きありがとうございます✨✨
    そしてお星様★★★まで、嬉しいです(#^.^#)
    この場をお借りしてお礼申し上げます。
    感謝いっぱいです。
    ローバちゃん、元気で退院して『カクヨム』に戻って来られる日を首をなが~くして待ってるからね(^_-)-☆
  • ローバさん

    のこさんがのこのこ足を運んでコメントのこしていたので、私ものこそうと思いまして、のこのこと現れたのですが、特に何も思いつかずの見切り発車でノーコメント。おあとが宜しくないのでもう少し。

    今日、いいえ、もう昨日となりますが、急に冷え込んでまいりましたよ。外がめちゃくちゃ寒いので、退院の際は温かい服を用意してもらってくださいね!!

    余談ですが、冷えて来ると、ついつい無精をして鍋物が多くなります。鍋って言うと寄せ鍋とか思っているかと思われますが、今日はおでん。これも放り込んで炊くだけの簡単料理。無精者の私にはぴったりな料理でございます。
    無精者なので、今日のうちからおでんの中に豆腐を仕込んでおいて、明日は「とう飯」と呼ばれる、つまり、ご飯におでんの豆腐を乗せて、お出汁をぶっかけたものに、七味唐辛子をパラッと振っただけのご飯を食べるわけでございます。
    これがもう何とも貧乏臭いのに美味しいってんで、おでんに入れる豆腐の数が増える始末。
    一体全体何の話だって?ローバさんに一刻も早く退院して欲しいので、退院後の目標になるものをと、美味しそうなものをぶら下げたつもりですが、なんともお粗末な貧乏臭いものになった次第。
    のこのこ現れて何の話してんだいって怒られそうでやんすね(*´ェ`*)まあ、のこりもんには福があるってんだから、勘弁してくだせえ。

    それではまた。遊びに来ますね!
  • こちらに失礼します。先日のレビューのお礼でございます。物語内の人物はカゴノボッチフィルターによるもので、実在の人物とは異なる場合がございます。ご了承くださいm(_ _)m
  •  むかしむかし、あるところにひとりのお婆さんが住んでいました。

     お婆さんは村のみんなの人気者で、ローバちゃんの愛称で親しまれていたそうな。

     クリスマスも近い師走のある日のこと。村のみんながローバちゃんに聴きました。

    「ローバちゃん、ローバちゃん、クリスマスプレゼントは何がいい?」

     ローバちゃんは言いました。

    「ローバ、クリスマスプレゼントはスライムが欲しい」

     村のみんなはそれを聴いて言いました。

    「ローバちゃん、スライムって異世界にしかいないんだよ?」

     ローバちゃんは言いました。

    「じゃあ、ローバは異世界へ行きたい!」

     村人たちはそんなローバちゃんのお願いを叶えてあげようと、村長さんに相談しました。

     すると村長さんは言いました。

    「大阪へ行きんさい」
    「え!? 大阪ってあの大阪かい!?」
    「その大阪以外にどの大阪があるんさね?」

     村人たちは皆で工面して大阪行きの切符をローバちゃんに持たせました。

    「ローバよ、大阪に着いたら籠野って男に『もうかりまっか?』って聴かれるんさ。したら『ぼちぼちでんなあ』って答えんさい」
    「『ぼちぼちでんなあ』?」
    「そうじゃ、忘れなさるな?」
    「わかった!」

     ローバちゃんは足が悪いので、車椅子で電車に乗りました。

    「みんな、ありがとう! お土産にスライム饅頭買ってくるでな!」
    「ローバちゃん、気をつけてね!」

     ローバちゃんはみんなにブンブンと手を降って、電車に乗り込みました。

     道すがら見えた富士山がスライムに見えるほど、ローバちゃんはスライムのことで頭がいっぱいでした。

     ローバちゃんが大阪に着くと、村長の言う通り籠野と言う男が待っておりました。

     籠野はローバに言います。

    「もうかりまっか?」

     ローバちゃんは、目をキラキラさせて、こう答えます。

    「ぼちぼちでんなあ!!」

     するとどうでしょう? ローバちゃんの乗っている車椅子が突然走り出しました。同時に後ろで籠野の声が聞こえました。

    「いってらっしゃいませ」

     ローバちゃんは髪の毛を後ろにビュンビュンたなびかせて駅のホームを走り抜けます。

    「だっ、だっ、誰か止めて〜!」

     しかしローバちゃんは止まりません。

     車椅子はどんどんスピードをあげて、ついにはホームを降りて線路へ乗ってしまいました。

     線路に乗ったローバちゃんは、ぐんぐん加速してゆきます!!
     線路の先には見たこともないトンネルが見えました。

    「うひょおおおおおお!!」

     ローバちゃんはトンネルの入口に施された謎の幾何学模様に大興奮!

     トンネルを抜けるとそこは──。

    「異世界いいいいいいい!!」

     ──見たこともない世界が広がっておりました。

     緑色の人間、二足歩行の豚や犬、上半身がライオン下半身が鷲の変な生き物、そして空には羽が生えたトカゲが飛んでおりました。

     ローバちゃんの乗った車椅子はどんどん進んで止まりません。
     ついには、とても大きな神殿の中に突っ込んでしまいました。

     ドンガラガッシャンドッテンチーン!

     大きな音とともに車椅子は止まり、ローバちゃんはゴロゴロと転がりました。

    「いった〜い! もう!」

     と、ローバちゃんは立ち上がってホコリを払います。

    「あれ? 足が痛くない?」

     不思議なことに、ローバちゃんの足は痛くも何ともありませんでした。

    「こら、神聖なる神殿で騒ぐ奴は誰じゃ?」

     神殿の奥から声がします。

    「ローバです!」

     と答えると。

    「ローバがワシに何の用じゃ?」

     と大きな竜が現れました。

    「スライムに会いに来ました!」
    「スライムならその辺におるであろう」
    「違う! ローバが欲しいのは白いスライムです!」
    「なんと……これはまた面妖なことを申すわ。これじゃから人間は……ブツブツ」
    「白いスライム!」
    「その様なスライムなど……いや、まてよ? ひとつ心当たりがある。恐山《おそれざん》へ行くがよい」
    「恐山?」
    「左様。恐山はここから西に行った森の向こうの山じゃ」
    「恐山に白いスライムがおるのか!?」
    「いや、そこにはカゴノボッチと言う巨人が住んでおる」
    「巨人?」
    「左様。そのカゴノボッチを笑わせてみるがよい」
    「わかった!」

     ローバちゃんは大きな竜にブンブンと手を振ると、大きな竜が呼び止めます。

    「こらこら、ローバとやら」
    「なあに?」
    「コレを持って行きなさい」
    「コレなあに?」
    「コレは魔除けの鈴じゃ。途中、魔物に襲われずにすむであろう」
    「ありがとう、デッカイ竜さん!」
    「うむ、気をつけて行きなさい」

     今度こそローバちゃんは、神殿を出て西に向かいました。

     神殿の西の森には魔物がウジャウジャいましたが、竜が持たせてくれた鈴のおかげで、ローバちゃんは難なく進むことが出来ました。

     ローバちゃんが山に近付くと、大きな地響きがします。

    「じ、じ、地震!?」

     ローバちゃんは少しビックリしましたが、立ち止まらずに進みました。

     少し進むと大きな壁がありました。ローバちゃんは壁を──

    「うおりゃあああああ!!」

     ──と壊そうとしましたが、びくともしません。

    「うりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃああああ!!」

     ローバちゃんはローバ百裂拳を放ちました。
     するとどうでしょう?

    「こりゃ! おいらの足の裏をポカポカ叩く奴は誰だぁ!?」

     山の上の方から声がするじゃありませんか?
     見るとそこには巨人がおりました。そうです、ローバちゃんが壁だと思っていたのは、巨人の足だったのです。

    「あんたがカゴノボッチかい?」
    「だったら何だぁ? お前は誰だぁ?」
    「あたしゃ可愛いローバちゃんだよ? 白いスライムが欲しいのよ、おくれ?」
    「白いスライムだと!? ふむ、さては神殿の竜に唆《そそのか》されて来たなぁ?」
    「そんなのどうでもよかろ?」
    「はぁ、わかった! ならば、おいらを笑わせてみりゃえぇでぇ」
    「布団が吹っ飛んだ!」
    「……」
    「魚屋のおっさんが屁をこいだ、ブリ!!」
    「……」
    「ダジャレを言ったのは誰じゃ!?」
    「……おもろないのぉ」

     ローバちゃんは眼の前のあしをこそばしました。
     
     コショコショコショコショコショコショコショコショコショコショコショコショ……。

     するとどうでしょう?

    「ぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃ! や、やめ、やめれぇ〜!」

     カゴノボッチは大笑いをしました。笑い過ぎたカゴノボッチの目尻からポトリと何か落ちました。

    「す、す、スライムだあああ!!」
    「ひい、ひぃ、久しぶりにこんなに笑ったぞぉ。まさか物理とはなぁ!? わはははは! ローバとやら、褒美にそいつをくれてやろう!」
    「カゴノボッチ、ありがとう!」
    「うぬ、大切にするんだぉ」

     ローバちゃんはスライムを抱えると、カゴノボッチにブンブン手を振りました。

     ようやく白いスライムを手に入れたローバちゃん。もと来た道を引き返し、神殿へと戻って来ました。
     それを見た大きな竜は目を丸くして言いました。

    「おお、まさか本当に奴を笑わせるとは、いったい何をしたんじゃ?」
    「足をくすぐった!」
    「なんと!? わはははは! まさか物理とはな!?」
    「ところでデッカイ竜」
    「何じゃローバ」
    「ローバは元の世界へ帰りたい」
    「ほほう、異世界《ここ》に来て元の世界へ帰りたいと言い出す奴がおるとは」
    「できんのか?」
    「ほれ、これを飲むといい」
    「何これ?」
    「気付け薬じゃ」
    「わかった!」

     ローバちゃんは大きな竜からもらった気付け薬を飲みました。
     するとローバちゃんはウトウトと眠くなってしまいました。

    「た、謀《たばか》ったな……」

     見ると大きな竜はブンブン手を振っております。

     ローバちゃんは薄れる意識の中、白いスライムを懐に入れました。

     しばらくして、ローバちゃんは目が覚めました。

    「はて?」

     そこはローバちゃんの家でした。

    「夢……だったのかい?」

     そう言うや否や、懐でモゾモゾと何やら動くではありませんか。
     ローバちゃんは懐にスライムを入れた事を思い出し、中の動くものを取り出しました。

    「スライム!!」

     ローバちゃんは大喜びしました。

     そこへ村人たちがやって来ました。

    「ローバちゃん、おかえり!」
    「みんな、ありがとう! ほれ、スライム!」
    「わーい、お土産だー!」
    「ちがっ……あ!?」

     村人たちはローバちゃんが見せたスライムを、お土産の饅頭だと思って食べようとしました。

    「どっせ────っ!!」

     ローバちゃんの飛び膝三段蹴りが炸裂しました。

    「いった〜い! あれ? ローバちゃん、足治ったの?」

     ローバちゃんはスライムを抱え上げ、自分の足を見ました。

    「本当だねぇ? 異世界から戻ってもそのまんまだねぇ?」
    「本当に異世界へ行ってきたんだ、ローバちゃん」
    「その証拠にこの子がおるであろう?」
    「スライム饅頭にしか見えなかったよ、ローバちゃん」
    「頼むから食べないでおくれ?」

     そう言うと、ローバちゃんはスライムのマシュマロボディを撫でました。

    「ほわわわわ〜! スベスベだわ♪」
    「ホント、スベスベだねぇ〜♪」
    「決めた!」
    「何を決めたのローバちゃん?」
    「この子の名は『まんじゅう』じゃ!」
    「え……」
    「食べるでないよ!?」
    「食べないよぉ〜!」

     その時。

    ──ピンポ~ン♪

     ローバちゃんの家の呼び鈴が鳴りました。

    「誰だい? 開いてるよ?」

    ──ガチャリ!

    「おや、あんたは……」






         ─つづく─
  • どひぇぇ~ お婆さんのPC開いたら、そこはファンタ爺、否ファンタジーの世界でありました。
    カゴノボッチッチ(モンチッチみたいで可愛いな)、否かごのぼっち先生作品のお蔭で、ローバは異世界で大いに楽しい時間を過ごすことが出来ました。

    異世界ではローバは人気者で、多くの人に可愛がって貰って、とても叶うはずのないお願いを叶えてもらうことが出来ました。

    異世界では、ヨレヨレでショボくれた、大した力もない貧相なお婆さんの筈のローバなのに、百裂拳や岩山両斬波、北斗残悔拳、五指烈弾・・などの技を使いまくって えっ、百裂拳だけだぞ調子にのるなと? あぁぁ申し訳ない、娘の影響でケンシローバになれた気でいました、許してたも!!

    親切な村人たちのお蔭で、何故か大阪経由で異世界旅行に出かけることができました。ボンビーなローバですから、旅行など町の暮れの大売出しのクジで当たらない限り行けない現状。それだって祈りを込めて引いた結果は、常にティッシュばかりなり。
    悲しいけれど、年寄りの涙目と鼻水には欠かせないアイテムじゃと、心底有りがたがってるところのローバなりでんねん。

    そしたらまぁ、なんとなんと南斗邪狼撃(しつこいゾ🙇)
    トンネルを抜けるとそこは雪国? いや違う異世界だった、わぉぅ!!

    不思議なことに痛かった足は治りスマートな美人が なに? 創作するでないと? ワリいワリい 異世界は何でもありと聞いたもんでハイ。

    カゴノボッチ巨人を笑わすために、日ごろ鍛えた駄洒落を連発したにも関わらず、百発百中の筈がゼロでゲロゲロ、どうしょうもない。
    しゃぁない、大昔お母さんだった頃を思い出し、我が家に古くから伝わるおでんの、いや、秘伝の奥義、子供を笑わすには一番の「コチョコチョの技」を使おうとやってみた。

    なんとなんと南斗(しつこい)、巨人に勝ったDNA、ちゃう、ローバはカゴノボッチ巨人の真珠のような涙をいただいたのであります。
    が、太った豚のローバに真珠の涙は似合わない、それでも欲しいと言うのかと仰る巨人様か?

    それならばここで一句。「くれぬなら 痩せてみせようホトトギス」
    む~りぃ~ と何処からか村人の声が。
    だが優しい巨人は真珠の如き真っ白いスライムを与えて下さった!!

    さぁそれからはひとッ飛びで皆の待つ元の村へ。
    皆がスライム饅頭だと食らいつきそうになると、驚いたローバは飛び膝三段蹴りやら空手チョップにブレーンバスター、おまけに北斗神拳究極奥義までだして・・そんなことしたら村人全員皆殺しダゾーン?? スポーツ見るなら・・ダゾ・・

    猿でもできる反省をしたローバ。
    大事な大事な、大切な大切な、可愛い可愛い魚屋さん ??童謡じゃないか動揺してる? うん。

    ぅわぁ、念願のスライムちゃんだ。
    本当にほわほわスベスベだワン ローバのしわしわゴワゴワとは天道さんと番頭さんの違いぞなもし!!

    嬉しいな、一足早いクリスマスプレゼントだ。ありがとう!!
    サンタさんか神様か、かごのぼっち先生か・・皆様に感謝!!!と叫ぶローバでありました。

    ***ローバが物語に出場?の予告で、何のことかと思っていましたが、そうですか、こんな洒落たこと考えて下さったのですね。
    しかも、このお忙しいであろう大切な時間を割いて、あっという間に書下ろしの作品が出来るなんて、さすがだなぁと感心しきりであります。
    入院が長くてちょっぴり萎れていたローバですが、これで元気モリモリ百裂拳も何とか可能か?と思えてきました。

    でも年寄りの鼻水、否冷や水はいけませんね。
    調子に乗らずに静かに、楽しく過ごして行きたいと思っています。
    お心づかいにとても感謝しております。ありがとうございました。
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