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FF16で世間での感想を見た感想

 こちらの創作論でも触れたジョシュアのブチキレシーンですが、15の悪名高いグラディオ八つ当たりシーン(※1)を引き合いに出して同一視したコメントがいくつか見られて軽く唖然としました。
 15におけるそれは主従関係無視・そもそも喧嘩の必然性がない・描写不足によって唐突にキレたように見えると言う、三拍子揃っていましたが、
 16のジョシュアは、その資格がある味方サイドで唯一の人物であり(※2)、シヴァ継承の事実を知った時に人知れず怒りをわだかまらせる伏線が丁寧に描かれていたので唐突感もありません。
 グラディオは自己満足の為に怒り散らし、ジョシュアは兄が一人で抱え込もうとする事を少しでも止めさせようという利他の心から怒っています。
 また、これを言うと身も蓋もありませんが、そもそもディレクターもシナリオライターもまるで別の人です。
 これ以上わかりやすく描写するとなると、それこそジョシュアに一語一句「僕は◯◯と思い、△△と感じたから、
✕✕なんだ!」と説明させねばならなくなります。
 
 これまで何度か、創作論においても、名言や格言を無理矢理引っ張ってくるケースにも言及した事がありますが、
 “知らない事の穴”を手持ちの知識で補おうとする、それ自体はある種、自然な事ではあります。
 しかし、借り物の言葉で思考停止に走る事ほど、実は恐ろしいものは無いと考えます。
 安易に目先の結論に走る前に、別角度から一考する癖をつけたほうが、色々と実りがあるのでは無いでしょうか。
 
 
 
(※1)
 友人兼主君が婚約者を殺された直後に腹いせとしか思えない罵声を浴びせた挙げ句「パーティ全員が」亡き婚約者の故郷に立ち寄らないと勝手に決める。
 殺されてから二週間の時間経過がテロップ一行で流されるので、体感的に、殺されたその日のうちに罵倒されたように見えてしまうのも。
(※2)
 実弟である事や、クライヴとジルの性格を熟知しているのも勿論、
 味方サイドでドミナントの宿命を共有する唯一の存在であり、共に前線に立てなくなる苦悩を誰より共感できる立場にもあります。
 また、ジル本人が何も言わない以上、他に言える人間が彼しか居ないと言う必然性もあります。

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