拙作「明日は神様の向こう側に ~ヒモの賞金稼ぎと包帯少女~」を最後までお読みいただき、ありがとうございます。やたらと長い話だったので、読むのも大変だったかと思いますが、まずは最後までお付き合いいただけたことに、本当に感謝しております。
さて、あとがきと言っても、あまりとやかく作者から言うことはありません。物語を読み解くのは、作者との対話である以上に、読者が自分自身との対話をする機会なのではないかと、私は考えています。ですから、作者が「ここはこう!」のように、あまり語ってしまうと、読み手の自由な解釈を阻害するのではないかな、と思っております。しかし何点かだけ、お伝えできればと思ってあとがきを書いています。
・本作を書く上で注意したこと
まずお伝えしたいことは、拙作はなんといいますか、「いつ読んでも、何度読んでも発見がある」のような物を意識して書かれております。それは、物語の伏線にしてもそうですが、それ以上に、何時、何歳で読んでも新しい発見があるような、そういう物語を意識して書いたつもりです。
若い方は、単純に戦闘の面白さやキャラの個性を楽しんでいただけたらと思いますし、もう少し上の世代でしたら、心のあり方、社会のあり方について、改めて自分の中で考えてみていただけたらと思います。更に上の世代の方でしたら、自分というものが結構完成されていますので、名作のパロディなどを楽しんでいただけたらと思いますし、その更に上の世代の方でしたら、滅び行く者達が見せた男の矜持を、そして次の世代に何を残していくのか、そういった所を見て、考えていただけたらな、そう思いながら物語を書き上げました。ですから、五年後、十年後に、ふと読み返したくなって、読んだら新しい発見があって、その時の読者の悩みや疑問に、何か答えられるような作品になっていたら、作者としてこれ以上に嬉しいことはありません。
・語られなかった作中設定
一点だけ、語られなかった作中設定についてお話します。それは「能力の強さ(大いなる意志との連結の強さ)」が何に関係しているか、という点です。これは作中人物が誰も知りえなかった話なので、物語の中では明かされませんでした。さて、それでは何が関わっていたのかというと、単にブランフォードが言っていたように「信仰心」……とは、少し異なります。もっと言えば、「運命」とか「神」とか、そういった超常的な存在を受け入れ、信じられる人ほど能力が強く、逆は弱くなっています。
作中で、能力が強いのはエヴァンジェリンズ(小さい時に刷り込まれているため)、ブランフォード、スコットビル、ウェスティングス、ブッカー辺りは強いです。逆に弱いのはネッド、ジェニファー、ダンバー(武術と経験で大分誤魔化してます)、ダゲットですね。しかし、大いなる意志との連結が弱いキャラクターは、代わりに「運命に抗おうとする」力が強いため、意外と大きいことをするのは信仰心が薄い連中になっています。
・今後の活動について
さて、次に少々、今後の私の創作活動について触れたいと思います。とりあえず、拙作に手を付け始めてから、ちょうど二年近い期間が掛かりました。その間に、私生活の環境も激変し、一時期執筆にまったく手を付かない期間もありましたが、なんとか今年三月くらいから持ち直し、最後まで筆を進めることが出来ました。
これから私生活の方といいますか、仕事の方が新たに色々と忙しくなりそうなので、一旦は筆を置こうと思っています。その上、今作は、今まで二次創作でやっていたことの集大成といいますか、「得意なこと+α」を意識して書いていました。逆を言えば、自分の表現の狭さを実感することもありまして……ですから、再び色々な作品に触れて、自分の中の世界を広げ、もっと色々な表現を身に着けないといけないな、とも思っています。
実際、本作を書いているときは、自分の勉強不足を度々感じておりました。きっと某国の歴史や宗教を専攻している方にとっては、突っ込み所満載だったのではないかと思います。一応、ファンタジー、異世界という体裁をとって誤魔化してはいますが……ともかく、今一度色々な事に興味を向け、知識と経験を深めなければ、と思っています。
ただ、少し落ち着いたら、ダンバー、コグバーン、ブッカーの三人を主眼においた番外編を書きたいと思っています。物語の中心人物であった三人の主人公、ネッド、ネイ、ジェニファーを育てた三人が、何を思い、彼等の手を引いていたのか、それは物語を深めるのに、いずれ手をつけるつもりです。
それが終わりましたら、次回作なども手をつけていこうと思っています。もし今後の活動も気になる、という方がいらっしゃいましたら、ツイッターでちょこちょこ呟こうと思っていますので「@5OZ7V6fMz6」をフォローいただけたらと思います。創作関係者でない方の場合は、適当にリプライ頂いた方のみフォローバックします。単純に活動だけ見たい方は、無言フォローいただけたらと思います。
・結びに
重ねて、ここまでのご愛読、本当にありがとうございました。もしよろしければ、感想など、お好きなフォーム(コメントの感想欄、作品の感想欄、ツイッターなど)にいただけたら幸いです。今後の励みにしたいと思っています。また、誤字などもありましたら、報告いただけたら幸いです。こちらでも後で一度読み直し、少し手直しはしていくつもりです。
ともかくしばらくは、子育てを終えたオッサンみたく、ノンビリしたいと思います。
それでは、皆様の明日が素晴らしいことになることを、日本のどこかから祈っております。