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煙突の上の酔っぱらい

 この作品の登場人物アルファ君は、ご覧いただいた通り、とても馬鹿な男なのです(笑)。これはとてもリアルに描かれているのでわたしの体験談であると錯覚されるかもしれませんが、もちろんわたしは煙突の天辺で酒を飲んだりしたことはありません。ただ、彼は、わたしの心情の一面を明瞭に反映させているところがあります。花火を見物するために煙突に登るような人間は、現代社会では受け入れられないまったく無用な人間なのですが、このような人間でないと語れない真実というものもあるのではないでしょうか?

 このような馬鹿な男がどのような一生を送るのか、わたしなりの答えは長編小説『砂の涙』にファンタジーとして描いたのですが、これは読み手の方の楽しみとして彼の未来を自由に空想していただければうれしく思います。もしかするとそこにあなたの隠れた自分の姿が写し出されるかもしれませんよ。

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