千聚

第二章 北条泰時は、執権になると『御成敗式目』を編纂した。 公正な裁判を目指した五十一箇条の基本法があり、九百箇条もの追加法がある。 しかしながら、訴えを取り下げ、話し合いで解決…

和歌江島の築港工事が始まった。 執権北条泰時の許可とともに経済的援助も約束され、伊豆半島や酒匂川、早川、また丹沢方面から石材が運び込まれた。 そして、わずか二十六日後には竣工完成…

「敵を知り己を知れば百戦危うからず」あまりに有名な孫子の兵法。まず初めに、敵の内情を知るスパイ大作戦は、古代の中国でも展開されていた。スパイは、おおよそ五種類とされた。もちろん兼…

歴史に残る絵詞がある。 それは鎌倉時代を描いたもので、今では重要文化財だ。 武蔵武士の残虐性を描いたと云われるこの絵巻は、誰が何の目的で為したのか。

鎌倉は小さいが華やかな街だ。まだ千年には満たないが、歴史をギュと詰め込んだランチボックスだ。 その昔、鎌倉時代と呼ばれた鎌倉に不思議の児兎丸が生まれた。 兎丸は、何時も腹が空…

時は鎌倉時代、第三代将軍源実朝の御世である。 邪魔な親族を陥れ殺し、誠実な家臣を陥れ殺す。まだまだ、血色が滲み出るこの頃、鎌倉で活躍した陰陽師一族がいた。 陰謀渦巻く鎌倉で、時の…