ヒロインがとにかくかっこいい!

王太子主催の夜会。転がる侯爵の死体。王太子は自殺だと断定する。
この瞬間にヒロイン(主人公)は勝機を見出し、凛と異を唱える。

「いいえ、自殺ではありません」

彼女が失ったもののうち、爵位だけは必ず取り戻すという強い決意で。

近代ヨーロッパ的なファンタジー舞台で繰り広げられる、(恋の?)権謀術数ストーリーです。(たぶん。私はそう読みました)


他のレビュワー方がおっしゃるように、エピソードごとのコメントにもあるように、ヒロインがとにかく格好良い。
これは意見を真似したとかではなくて、彼女を一言で形容するならばと問われたとき、多くの方が同じように思うだろうことです。
その格好良さの源は、彼女の知性、決断力、行動力、気高い心のありようと態度、そしてそれらの描写でしょう。
最終話まで読んだあなたは改めて思うはずです。「かっこいい」と。
そして、そうであれば直ぐさま、また第一話を読むことをおすすめします。(何ならそのままもう一周行きましょう)
ほんと、痺れますよ。感嘆のため息が出ます。

緊迫した第一話から始まる、基本シリアスな物語ですが、絶妙に散りばめられた可笑しみもとても良い。そして、タグの「逆ハー(風味)」は伊達じゃありません。

黒・赤・白……と、色が強く印象に残る作品で、薔薇は何色から何色に塗り替えられたのか、と想像するのも楽しい。

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