第15話 売れる企画、面白い企画とは? ポイントを抑えてヒット率を上げよう

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 ・面白さと売りやすさ。どちらを優先すべきかは、企画による。

 ・企画はギャンブルのようなもの。評価は発表後に下される。

 ・コンセプト、アピール、ターゲットを定めて、当たる確率を上げよう。

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 ■企画のテーマと三要素をおさらい


 これまでの記事で、企画を立てる際に大事なポイントは、


 1.コンセプト : テーマを表現する際のアプローチ、切り口。

 2.ターゲット : 企画を誰に売り込むか。誰向けなのか。

 3.アピール  : 企画の売りとは何か。


 を定めることだと説明してきました。


 三要素を考える際の判断基準となるのが、企画の『テーマ』です。

『お菓子の商品開発』『幼なじみは大統領』を例に各要素をおさらいしていきましょう。



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 新商品 スナック菓子

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 テーマは

「母親が安心して子供に食べさせられるお菓子」


 1.

「美味しい安全、油が手につかない」というコンセプトで、

 ノンフライのスナック菓子を制作。


 2.

 ターゲットは幼稚園児の男の子を持つ、若い奥様。


 3.

 男の子自身ではなく、奥様に買わせるのが目的。

 親子が笑顔でスナックを食べている絵をパッケージに採用。

 次回キャンペーンでは、イケメン俳優をCMに採用する。




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 18禁美少女ノベルゲーム 幼なじみは大統領

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 テーマは

「できるかできないかわからないなら、やってみよう!」


 1.

 洋画風アプローチで、『アメ○カの大統領』を演出。

 前向きに生きるヒロインを描き、シナリオ上でテーマを表現する。


 2.

 ターゲットを若年層、ライト層にする。


 3.

 ALcotでおなじみの制作メンバーに加え、新原画家を採用。

 大統領の女体化というインパクトで、ターゲットの若年層を狙う。




 といった具合で、


 ××というコンセプトで、テーマを訴えたい。

 △△という方法でアピールして、○○というターゲット層に売り込む。


 と箇条書きでも構わないので、企画の骨子を決めていきましょう。




 ■作品として重視すべきポイントは?


 企画を立てる際は、『テーマ(芸術性)』を重視するのか『アピール(商業作品的価値)』を重視するのか考える必要があります。


 アピールを無視してテーマを前面に押し出すとメッセージ性が強くなります。

 意欲作として評価はされるですが、商業的に失敗する可能性が高いです。

 響かない人にはまったく響かず、誰の目にも触れないこともあります。


 アピールポイントを重視すると、キャッチーでわかりやすい作品となり、営業面でも売りやすくなります。

 ただし、アピール=商業的価値を高めたためにテーマが曖昧になり、「薄っぺらい」「中身は普通」という評価を受けるでしょう。



 注意したいのは、テーマとアピールポイントは『水と油ではない』ということ。


 要素が反発し合うこともありますが、時には上手い具合に調和したり、相乗効果が生まれたことで爆発的なヒットを生むこともあります。そういった作品は「名作」として、後々まで語り継がれることになります。



 ■売り上げと面白さ、どっちを優先すればいいの?


 アナタの立場、企画のテーマ、コンセプト、クライアントの意向にもよるので、ぶっちゃけわかりません(えー)。


 あなたが作りたい企画は? 会社が求めるゴールは? ユーザーに訴えたいテーマの内容は? テーマを訴えるのに最適な表現手段は? コンセプトにブレはない? ターゲットは適切? 売り上げ目標は……


 などなど、プロデューサーから提示された『商業的な要望』も踏まえつつ、企画者であるアナタ自身が訴えたいこと(テーマ)も主張して、ベストマッチな組み合わせを見つけてください(なんて、口で言うのは簡単ですけどね……)




 ■企画の評価は、発表後に下される


 前回の記事(ターゲット層を定めよう)で書いた取り、ターゲット層を意識して『売り』をアピールできれば一定ラインの売り上げは見込めます。

 商業なら、前作の売り上げデータ、市場傾向、同じような雰囲気を持つ他社作品の売れ行きなどから、具体的な売り上げ予測もつくでしょう。


 ですが、実際に売れるかどうかは発売してみないとわかりません。


 コア層向けに作ったのに、SNSでネタとなりライト層にも受けた。海外で話題になり、本来のターゲットではない層にヒットした。発売後に評価され、後伸びでロングランヒットした……など、フタを開けてみるまで結果は誰にもわからないのです。


 作品のおもしろさも同様で、サークルメンバーや上司が「面白い、売れる!」と太鼓判を押しても、世間での評判はあんまり……というパターンはよくあります。

 作品を受け取る側の感受性によって感想も異なるので、「他の人は駄作と言っているけど、自分は傑作だと思っている」「世間的に評価が高いけど、専門家が見たら駄作」というパターンも。

 2018年に大ヒットした映画「ボヘミアンラプソディー」も専門家の評価は低かったのですが、一般層には受けました。


 企画を立てるのは、ギャンブルのようなものです。

 少しでも「当たり」の確率を上げるため、コンセプトやアピールポイントをしっかりと定め、的確にターゲット層を狙う必要があるのです。

(私ができているとは思えませんが、だからこそ日々勉強です)




 ■まとめ


 面白さと売りやすさ。どちらを優先すべきかは、企画によります。


 企画が「当たる」かどうかは、ギャンブルですが、コンセプト、アピール、ターゲットをしっかりと定めることで当たる確率が上がります(上がるといいなぁ)





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