粛清諜報機関ブラックチェア〜序列最下位の魔術士が、流浪の騎士の人生を預かるようです〜

戦えない魔術士トラヴィスと、その魔術士を守り剣として戦う騎士ギードの諜報物語。

「あれ？　もしかしてこれ……失敗した？」

潜入任務を任されたトラヴィスだったが、特殊魔道具『黒い椅子』が起動しない。
あるひとつの魔術を除いて大した魔術を使えないトラヴィスは、ついに魔道具まで起動できない役立たずになってしまったのか、と嘆く。
しかし相棒のギードは言う。

「記憶している限り、お前が『黒い椅子』の起動を間違えたことは一度もない」

であるならば、皇帝陛下の敵が邪魔をしているのだろう。
ふたりが仲間を集めて報告していると、舞い込んだのは退位したはずの先帝が謀叛を起こそうとしているという情報で——！？

トラヴィスに執着する借金取り兼情報屋、ふたりの力を見出した皇帝陛下、魔道具エキスパートの技術屋…続きを読む