優しさを発信して拡散する。
そういう役割りの人達がいます。
そして、それに支えられてる人達も。
しかし、それを建前、だとか偽善、だとか、そういう風に言う人達もいます。
優しい本音があると、困るのでしょうか?
そんな「悪役」達は無視してレビューを進めましょう ♪
この作品はヒロインのさっちゃんが、皆んなの力でトラウマを克服するところから、始まります。
一人で一生懸命に頑張るさっちゃんに「気づいて」一生懸命に助ける駿。
そんな駿に感化されて集う様々な優しい人達。
一癖も二癖もある、そんなメンバーですが、共通するのは誰かの気持ちを考えること。
さっちゃんにだけ、じゃないのです。
皆んなが皆んなを思いやり、考え、行動する。
そんな優しい本音を紡いで広げる彼らは決してヒーローなんかではなく、
友達という仲間!
であります。
誰かに助けられ、支えられると、自分以外を見る余裕が生まれます。
そしてそれが新たに誰かの支えとなって、優しさの輪は広がってゆくのでしょうね。
これは僕の主張でもなければ感想文でもありません。
この作品自体のお話です。
この作品に触れる事ができたあなたはきっと、これから誰かの支えになれる事でしょう。
そうやって繋がるのでしょうね。
拡散されるのでしょう。
優しい本音というものは。
この物語の主人公・幸子は、とあるコンプレックスを抱えています。
それが原因で、他人と関わるのが苦手。
そんな幸子に手を差し伸べてくれたのが、同級生の駿。
駿は皆が憧れるハイスペックな男子ですが、彼にも大きな悩みが……。
幸子は駿、そしてその友人たちと関わっていく中で、徐々に自身の心の闇に立ち向かい、成長していきます。
綺麗事ばかりではない、辛く苦しくもがきながらも、一生懸命に成長していく幸子たち。
健気に頑張る姿を見ていると、応援したくなります。
痛みを抱える高校生たちの青春を描く物語。
幸子たちは、果たして心の傷を克服することが出来るのか?
続きはご自身の目で確かめてみて下さい!
怖い映画を観た感想などで「トラウマだわー!」と言う人はたくさんいますよね。でも本作で扱われている「傷」は本当に強烈なものです。
主人公の幸子は頑張り屋で、思いやりがあって、とにかく良いところをたくさん、たくさんもっている女の子。だけど、心に色々なものを抱えていて、自分のことを無価値な存在だと思い込んでいる。そんな彼女の良いところに気づき、真剣に向き合ってくれる存在が現れ、彼女と仲間たちは共に成長していく。
日常のシーンは賑やかで優しくて、読んでいてニコニコしてきます。特にチャットのシーンが好きです。
でも「傷」に関わるシーンになると雰囲気は一変。人物達の激情がストレートに伝わってきて、殴られ引きずり倒されたかのような痛みと衝撃を感じます。過激で、直視することが憚られ、怖じ気付いて逃げ出したくなるほどのものです。
読者でさえそんなにも痛みを感じるのだから、作中の人物達はもっともっと辛いと思います。でもみんな自他の「傷」と向き合い、そして、自分に向き合ってくれる周りに応えようとしていて、すごく強いなぁと思います。(「自他の闇から逃げたり、差し伸べられた手を取れなかったりするのは弱い、悪い」という意味ではありません)
痛みを感じる読者がいる一方で、同じような「傷」を抱えている読者にとっては、人物達の心の叫びは代弁になり得るのではないでしょうか。なりふり構わず、そういった方々の味方になってくれる。そんな小説だと思います。
物語はどのようなアンサーに向かうのか。さっちゃん達はどうなっていくのか。これからも見守らせていただきます!
(秋の特別編D.C.までを読んでのレビューです)
最初に読み始めてから、久しぶりに「先が気になって仕方がない…」と、思わせてくれました。
ほのぼのしているのかと思いきや、とてもリアルな心の描写が、分かりやすく描かれています。
どんな物語にも、主人公と脇がいる。
けれど、ここでは、誰もが主役になり得る展開が待っていました。
それだけ、作者様が想いを込めていらっしゃるのだと思います。
純愛にキュンとしたり、シビアなシーンには共感し、考えさせられたり。その都度、心理描写が素晴らしいです。
個人的に、「こういう表現の仕方もあるのか!」と、思った箇所もありました。
まだ、途中ではありますが、素直にこの物語の主人公たちを見守らずにはいられません。
上手いこと説明出来ないのが難ですが…
きっと、「仲間」がいることの幸せを感じられると思います!
あなたは、下東良雄という作家をご存知ですか? 彼はものすごく心優しく思いやりに溢れた謙虚な方です。この世で見ず知らずの苦しんでいる方に心を寄せ、社会に溢れる不平等を正し、皆が楽しく生きることができる社会を構築したい、という高い志を持つ素晴らしい方です。
が、しかーーーーし!
あなたは一度でもこの方の小説「コンプレックス」を読んだことがおありでしょうか。この小説に溢れる痛い現実と黒すぎる人間の一面。
一度でも下東さんの優しさに触れ、その清らかな心に触れた方は驚かれることでしょう。
「これ、ホントにあの下東さんの作品⁉︎」と。
そしてそのギャップを埋めんとして、そのダークな現実が満ちあふれる作品のページをめくってしまうのです。自分の知る下東さんを追い求めて先へ先へと読み進んでしまうのです。
皆さまも一度このギャップを体験してみてください。決して「萌え」ません。しかし、病みつきになってもう、後戻りすることはできない……。