(外伝)邪聖剣チェーンソー ~異世界でヒトを殺したらダンジョンに投獄されたから、ハーレム作ったりサメとかデーモンとかと戦ったり追放があったりヒトを殺したりする話~

聖竜の介

はじめに

これまでの経緯を手短に(本編読んでない地球人向け)

 ボクーーレイ・シマヤは、地球で10人のヒトを殺した。

 何故そんな事をしたのかって?

 ボクは“同じ”だとか“均一”とかって概念を愛しているから。

 だから、ミンチにして一纏めにしようとしたら、結果的にそれだけの犠牲が出てしまったんだ。

 で、その後、ボクは警察に撃たれて死んだ。

 そして、最後に持っていたチェーンソーと一緒に異世界転移したわけだけど、そこで「五種の【ステータス】を極めたヒト“君臨者”を殺して力を吸収しろ」と言うクエストを受注。

 で、酷い事に、二人目の“君臨者”を殺したら、衛兵に逮捕された。

 この世界の刑罰では“ダンジョン刑”なるものがあるらしくて、文字通り、全10層の“巨大地下迷宮ダンジョン”を攻略させられる羽目になった。

 

 まず、世界の基本的な話をする。

 この世界では、エルフ二種・ドワーフ・ワーキャット、オークの五種族に支配されている。そして、人間族ヒューマンというものは存在しない。

 地球から転移してきたボクと、もう一人居るらしい転移者の男を除いては。

 そして、この世界ではヒトの能力が【ステータス】によって可視化されている。

 “ハビエル法”と呼ばれる、エルフの確立した戦術評価規範に則ったそれは、極めて高い精度で能力を示してくれる。これはボクも身をもって体感した。

 能力だなんてフワっとした概念をどうやってここまでデジタルなデータに落とし込めているのかは不明だが“エルダーエルフ”と言う種族は、まさしく神のような【知力】を有していて、このくらいは楽勝のようだ。

 そこらへんの小娘が、エリクサー(※地球では、あらゆる錬金術師の悲願です)とか秒で手作りしちゃうくらいだと言えば、どれほど狂った種族かはわかるだろう。

 とにかく【ステータス】には種族ごとに限界値があり、例えば【知力】で言えば他種族は絶対にエルダーエルフには勝てない。

 とにかく、ステータスの項目を紹介がてら、各種族の限界値も貼り付けておくよ。

 

 エルフ(エルダー)

【力:50 体力:50 知力:200 反応:100 器用:130】

エルフ(ハンター)

【力:90 体力:70 知力:120 反応:200 器用:170】

ドワーフ

【力:200 体力:150 知力:50 反応:70 器用:200】

ワーキャット

【力:180 体力:80 知力:70 反応:200 器用:130】

オーク

【力:130 体力:200 知力:50 反応:100 器用:50】

 

 現在のボクのステータスはこれ。

レイ・シマヤ

【力:100(100) 体力:100(100) 知力:98(100) 反応:100(100) 器用:100(100)】

 

 美しいまでに均一フラットなステータスだろう? ここまで揃えるのには苦労したよ。

 そして、五種族のどれにも当てはまらないボクのステータスは、全て100が限界値となるらしい。

 つまり、ノーベル賞とったヒトだろうと、諸葛亮孔明だろうと、人間族の知力は100どまりってことになる。

 ウサイン・ボルトは、大半のワーキャットに短距離走で負けてしまう。

 そう考えるとボクの知力はかなり高評価を受けているけど、これは地球ではなく“こちらの世界準拠の知力”であるらしい。

 そしてボクのチェーンソーは、こちらの世界では“君臨者”の魂を喰らう邪聖剣になってるらしい。

 ボクは既に【体力】の君臨者“第七オーク・クランのサンドラ”と【反応】の君臨者“フョードル・ズァドル”を喰らっており、こいつらの魂を限定的に憑依することで、該当するステータスを一時的に200にする事ができるんだ。

 

 次にボクが今、ぶちこまれてるダンジョンについて。

 プレイヤーに課せられた最終目標は「ラスボスである“魔神王ロレンツォ”に到達する」事。

 この“到達”の意味合いはプレイヤーによって異なる。

 まず、比較的微罪でぶちこまれたり、自ら志願してプレイヤーとなった“一般囚”について。

 こいつらは、魔神王の部屋にたどり着いた時点でゲームクリア。

 次に、殺人などの重罪で捕まった“極刑囚”についてだけど、魔神王を倒さなければならない……つまり奴を殺してはじめてゲームクリアとなる。

 ゲームクリアした囚人には犯した罪の帳消しと、500,000PG(1PG=100円くらい)と言う頭の悪い額の賞金が約束されている。

 もう少し、現実味のある額にすればいいのにね。

 第一、このダンジョンの製作者は魔神王ことロレンツォだ。

 ゲームマスターがラスボスだなんて、どう考えてもオチは見えてるだろう。

 事実上の“極刑”と言うわけだ。

 で、まあ、このダンジョンの存在理由はと言うと、エルフとかドワーフとかの富裕層が、ボクらプレイヤーが命懸けで右往左往する姿を観賞して楽しむエンターテイメントと言うわけだ。

 まあ、こんなダンジョンを作っただけあり、ロレンツォの【器用】は200……つまりこいつも“君臨者”であるから、ロレンツォの殺害はボクの当初の目的とも合致してはいる。

 しかしまあ、この君臨者狩りについてはまた別の話で、今回のダンジョン攻略には関係ないから忘れてもらってもかまわない。

 

 もうひとつ、このダンジョン独自のルールがある。

 プレイヤーの生死が、物理的な肉体の損傷は勿論のこと【HP】なる変数でも管理されているという事だ。

 これが0になると、一人一人に仕込まれた爆破魔法が作動して、身体の内側から破壊されて死ぬ。あべし。

 この世界で、瞬時にヒトを全快させるほどの回復魔法はエルダーエルフしか使えない。

 で、そのエルダーエルフに、こんな所へぶちこまれる間抜けは皆無だし、そもそも非生産的な事と無縁な種族であるから“能動的に犯罪を起こす”と言う発想がない。

 頭の悪いエルダーエルフも居るだろうけど、たぶん、種族特権でなぁなぁにされている。

 とにかく、プレイヤーにエルダーエルフは居ない。HPが0になって爆破された場合、助かる術はまずない。逆に、いくらHPが残っていようと物理的に致命傷を負えばフツーに死ぬ。

 そんなわけで、このダンジョン内における戦闘の勝利条件は二つ。

 敵のHPを0にするか、物理的に破壊するか。

 

 あとは、ダンジョンの最下層に拠点となる街が用意されていて、武具や日用品を売るお店や宿屋、公衆浴場から、なんと水洗式のトイレまで一通り揃ってる事。

 なお、拠点でプレイヤー同士のHPの削りあいは出来なくなっている。……HPは、ね。

 そして、拠点にはエレベーターがあり、踏破したフロアへの復帰が簡単に出来るよう配慮されているくらいか。

 ただし、パーティで行動する場合、エレベーターで復帰出来る階層は“一番行ける階層が低いメンバー”が基準となる。

 1階層しか行けないヒトが、10階層まで行けるヒトにお願いしてスイーって事は出来ないようだ。

 まあ、当然か。

 

 ボクが捕まるまでの経緯をもっと詳しく知りたい地球人は、URL貼っとくから、直接見に行ってくれ。

https://kakuyomu.jp/works/16816927860572021752

 ダンジョンにぶちこまれた直後から見たいなら、これがその1

https://kakuyomu.jp/works/16816927860572021752/episodes/16816927861053473230

 その2

https://kakuyomu.jp/works/16816927860572021752/episodes/16816927861069907158

 その3

https://kakuyomu.jp/works/16816927860572021752/episodes/16816927861079271449

 

 この先、ボクがエルダーエルフの力を取り込んだ時、このリンク先にボクの自伝を記録しておくつもりだ。

 どうやって?

 洗脳魔法を越次元させて、適当な地球人を操って書かせればオッケーだろう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る