月の夜 雨の朝 新選組藤堂平助恋物語

　作者の新選組への愛、そして知識量を作品から感じられます。そして丁寧に描かれているおかげで、新選組を詳しく知らない方も、歴史を知りつつ物語を楽しむことができます。

　新選組が好きな人も、「あー、このシーン……！」なんてはらはらしたり、切なくなりながら物語を楽しむことができます。

　タイトルにあるように平助の恋の物語が魅力的なだけではなく、新選組全体の物語を丁寧に追っていくことができます！

　この作品をきっかけに、新選組の沼にはまっちゃってください！！

　新選組のことをよく知っているかたも、知らないかたも楽しめます。
　主人公、イケメン藤堂平助と新選組隊士たちの、鮮烈な生きざま。
　恋にも、戦いにも、そして時代の変化にも、懸命にぶつかっていく彼ら。
　考え方や性格の違いによって、悲しいすれ違いやむごい死もあり、深く心傷つくこともあります。
　それでもなお、真摯に生きることをやめない彼らの熱い物語を、ぜひ見てください。

新撰組、藤堂平助。江戸から募られて、京で結成された新撰組の、初期からの幹部として知られる男ですが、その激しく流転する運命の中で、彼が何を想い、どう剣を振るって来たのか――。
また、美男として知られた平助が、いかなる恋模様を広げていたのか。
そして、時代に翻弄される新撰組の中で、どのようにその新撰組をより良くしようとしてきたのか。
それに対するひとつの想像として、あるいは、もうこれが本当なんじゃないかと思うくらい、真実味のある藤堂平助がここにいます。

……特に恋模様はやきもきさせられます^^;
この物語のはじまりである、雨。
その雨の中で出会った女性への想いは、読者としても、早く遂げて欲しい…続きを読む

正直で優しくて粋な人っていいよね
うち、主人公みたいな男の人なら付き合ってもいいかなって思いました♪

主軸は主人公の藤堂平助と彼が愛する女性との物語ですが、新選組の隊士たちを中心に周囲の人々やその人間模様も鮮やかかつ豊富に描かれており、色々な要素から目が離せません。

自分は新選組といえば数名の有名隊士の名前しか知らない状態で読み始めましたが、小説中でそれぞれの登場人物について丁寧に紹介、描写されているため、前知識なしでも読むことができます。ひとつの時代もののドラマとして、大変楽しませていただいています。

現時点での個人的な推しは作者様のオリジナルキャラクターだという名都さん、どこまでも良い女の君尾さん、腹黒紳士の伊東先生、絶妙なバランス感のある一匹狼斎藤です。新田さんや三浦さんや原田さん…続きを読む

　本作は新選組の八番隊組長である藤堂平助を中心に据えた物語です。

　ちなみに、このレビューを書いているぼく自身は、藤堂平助はもちろん新選組のことも幕末についても、まったく詳しくありません。なので、読みはじめる直前まで、この作品の読者になれるのかなあ……と不安でした。しかし読みはじめてすぐに、それがまったくの杞憂だったとわかりました。
　本作は、ぼくのような藤堂平助や新選組についてまったく詳しくない者であったとしても、ちゃんと楽しめるように書かれているからです。

　しかもこの作品、タイトルに『恋物語』と記してあるように、恋愛小説としても楽しめます！　
登場人物たちの切ない恋心の揺れ動きが丁…続きを読む

　本作は新選組八番隊隊長　藤堂平助を柱として語られる。

　心優しき平助を鬼へと変えたのはまさに幕末の乱世。
　信じた近藤や土方に従い刀を血に染める平助の心の機微が丁寧に丁寧に語られる。

　見どころの一つ『名都との恋』はときに歯がゆく時に優しく読者をも翻弄する。

　膨大な知識、徹底した取材による史実に裏打ちされたストーリーは骨太で、物語の世界に引きずり込まれる。

ぜひ読んでほしい一作です。

時間があったので一気読みしちゃいました。平助の生きざま沁みますねぇ。

　この作品は幕末日本を舞台に藤堂平助という人物を描いた歴史長編小説です。
　幕末がどういう時代だったか、藤堂平助がどういった人物だったか、そしてこの作品が藤堂平助をどういう風に描いているか、についてはウィキペディア、あるいは他の方のレビューなどに書き尽くされていると思いますので、ここで詳しくは語りません。
　ただ一つ自分から言えることは平助が現代に生きる我々からは想像を絶するような環境の中、その短い一生を全力で駆け抜けた、ということです。
　そんな藤堂平助の一代記、是非ご一読を。