光と影の国　～偽りの姫君～

気が付いた時には俺は女になっていた。昔の記憶はない。名前も分からない。
瓜二つの女性、フェミルナ姫にミュゼと名を付けられた俺は、フェミルナの影武者兼お側付となる。姫と言うにはあまりに質素な生活をしていたが領民は皆笑顔だった。

そんなある日、事件は起きた。襲われ、フェルミナが倒れた。フェミルナの「全ての民を笑顔にして欲しい」という最後の願いを叶えるため、俺は、いや私はミュゼと言う名を捨て、フェミルナという姫として生きることを決めた。

必ず、私たちの願いを叶えて見せるんだ