けっこうエッチな番外編

みるくは、牧場に帰ってから、ジローに甘えまくった。


「ジローくぅん」


「なんだよ」


「いっぱい抱きしめて」


「いや、無理。色々と」


「そんなこと言わないで抱きしめて」


ハハハっと乾いた声で笑うジローは、みるくに背を向けて目を瞑った。


てか、眠れる訳ないだろう!何だよあの可愛さ。破壊兵器級か!



色即是空空即是色…

とりあえず心の中で唱えてみる。


「ジローくん、聞いて」


みるくの言葉に、ジローは無言だ。


「ジローくん、大好き。みるくはジローくんの為なら何でもできるの」


パチっと目が開いた。部屋の窓から差し込む星明かりが、ブルーの天使のはしごの様で綺麗だった。



「明日の朝もね、きっとお乳張っちゃうから、飲んでね」

そんな声が聞こえた気がして、ガバっと布団から起き上がると、みるくはスースーと寝息をたてていた。


気のせいなんだな。そんな自分に都合のいいこと、言う訳ないよな。


長い夜だった。



ふと、意識が唇にいく。よだれのようなものを感じる。だらしなく口を開けて眠ってしまったのか。てか、どうもこのよだれ、味がする。


甘い。

乳酸菌飲料のような味。なんか、旨い。

人の女性から出るミルクってこんな感じなんじゃないか。


って、みるく!?


ジローが目を覚ますと、朝日に照らされポカポカする部屋の中で、胸を露わにしたみるくが上に覆いかぶさっている。


「ジローくん、おはよ」


「おはよ…てか、何で!?」


みるくは、恥ずかしそうに照れながら、ジローに向かって乳を絞ってみせる。

「みるくのお乳、飲んで欲しいな」

溢れんばかりの乳房から出た溢れんばかりの乳が、ジローの顔にかかった。


「うぶっ。こーゆーのには段階があるだろう」


「お乳が張って苦しいの。助けて」


「またかい」


乳首が唇についてしまいそうだ。


「ナンちゃんとこ行くか?」

「イヤ。みるくは、ジローくんに…」

「でも…」


しょうがない。飲んでやるしかなさそうだ。ただ、こいつは傷つけたくない。


まだ、お互いを男として、女として、知らない二人は、少し背伸びする。


「起きるから、ここに座れよ」

ジローは、上半身を起こして、膝の上に座るようみるくに促した。


みるくは、ジローに向けて乳を当てながら座る。


この乳、でけぇ。

少し堪能してやろう。


ジローはHカップ巨乳に顔を埋めた。


いい匂いがする。


「カワイイ」

みるくはジローの頭を撫でた。


「カワイイってなんだよ」

ジローは顔を上げると両手で乳を掴んだ。

ミルクが乳首から噴出する。


今にも鼻血が出るような感覚だったが、なんとか平静を保ち口を乳首にもっていく。


「ジローくん、みるく、もう…」


しばらく乳頭から漏れる甘ったるい匂いに浸った後、口の前で乳首をつまんでみた。


「あ、あん」


自分を好きだという一人の女から出る母乳を舌で味わう。甘い。


「直接飲んで」


「いいのかよ」


柔らかい乳を口の中に入れた。

舌触りがいい。舐めるとみるくは、気持ちよさそうに鳴いた。


吸うと乳首が伸びる。小さい頃に飲んだことがあるはずだが、こんなに一人の女の存在を感じるのは、新鮮だ。


「ちゅこちゅこ、可愛いね。ジローくん」


「ん」


「んん。上手」

みるくのちょっと幼さの残る高い声が、これはエロくてイケナイことをしているんだということを思い起こさせる。

口の中に広がっていく甘さが、ジローの男を麻痺させた。


俺って赤ちゃんなのか、大人の男なのか。


「だいぶ楽になったよ。ジローくん。こっちも飲んで」

みるくのもう片方の乳房も吸う。

よく出るのも大きいのも、心臓に近い左の乳房だということがわかった。


子供に戻ったような感覚の中でも、ジローの男は反応していた。


ただ、このまま、みるくを抱いてしまうのは、いけない気がする。


ずっと愛情を持って自分に接していてくれる女を、そう簡単に傷つけたくない。

触れたくないんだ。この無垢な女を、無垢なままにしておきたいんだ。


そう、ハッとして乳首を口から離すジロー。


みるくは、ジローの隣に寝転んだ。

「ねんねしながら、あげるね」


この世界を破壊しつくしそうな可愛さで言う。みるくの腕枕に抱かれながら、ジローは再び乳房にしゃぶりついた。


幸せだ。こういうのを、きっと、幸せだと言うんだろう。

目を瞑り、乳を味わい尽くす。

ふとしてやってきた眠気に負け、乳首に吸い付きながら眠った。



気づいたら、そこにみるくはいなかった。

口の中に残るミルクの甘さはあっても、なんだか夢を見ていたようだと思う。


幻か。

そうだよな。そんな自分に都合のいいこと、夢でしかないよな。



ジローは無造作な頭を掻きながら、居間に行く。

「あら、ジロー。もうお昼よ。重役出勤。ずいぶん偉くなったのね」

と、ナンちゃんが嫌味を言ってくる。

「親父は?」

「牛飼いよ」

「ふうん」

「みるくは?」

「みるく?誰よそれ」


ん?ジローは我にかえった。

夢だったのか!?

牛のみるくが、巨乳美少女になって、俺を好きだと言って、色々エロいことをしてきたのは、自分に都合のいい夢だったのか?


あの乳の感触、ミルクの味、カワイイ声、サラサラの髪、細い腰、俺の腕の中に収まる細い肩、あのいい匂い。


全て、夢だったのか?


「ジローくん!おはよう」

みるくが笑顔で近寄ってくる。

「え!いるじゃん」

ジローは、安堵のため息を吐く。

「みるく出てきちゃダメよ。ジローを懲らしめるんだから!」

と、ナンちゃん。

「なんだよナンちゃん、意地悪かよ」


ナンちゃんはクスクス笑って。

「あんたたち朝まで一緒だったのに、何してたのよ」


急にジローの顔が真っ赤になった。


俺らヤバいエロいことしてた!

夢じゃなかったんだ。


流し台に立つナンちゃんの後ろで、みるくは、口に人差し指を当てシーっとやった。

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ダイナマイト・みるく 久保田愉也 @yukimitaina

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