拳銃弾より高く放て

　あり得たかもしれない歴史を辿った日本、東京。
　三発の原子爆弾が江戸以前の芦原へと返したこの地にて、人類初の宇宙飛行を企図した「オメガ計画」が進んでいた。計画に一技師として参加する多田義人は、ある日奇妙な少女と出会う。それは、宇宙の規模からしたら見えないくらいに小さな、しかし廃墟に生きる東京の人間たちにとってはとてつもなく巨大な、ある陰謀の幕開けであった。　完結済み。