恐怖は辛口コメント企画からはじまった

　私個人は、投稿サイトでの活動は分別ある文学愛好家たちが良識に則って活動するサロンのようなものと言う気持ちで活動しております。
　しかし投稿サイト、ウェブ上ではおのれの素性は隠されており、それゆえに良識から外れた言動が飛び出してしまう事もあるのかもしれません。

　誰かの作品のコメントに、辛口な意見を述べたいと思った方は、この作品を一読する事を強く推奨いたします。
　軽い気持ちで放ったコメントが、仄暗い末路への片道切符になるのかもしれないのですから……

はじめから「辛口コメントを書きます」と明記し、言葉通り主人公は投稿者へ辛口のコメントを返していた。
そんな主人公にある日、投稿者から返信がきていた。
そこから雲行きがあやしくなってきて――　

小説の主人公は一つ歯車が狂ったことで、転がり落ちるように物事が悪い方向へ流れていきます。
SNSを活用していたら実際にありそうストーリーなので、学べることが多くてためになりました。

会員たちが自作の「詩」を投稿しそれを互いに評価しあう詩の投稿サイト『ポエむら』（どこかで見たような仕組みのサイトだ……）。そのサイトで千鶴は「主が辛口コメント書きます」という企画を始める。「なれ合いのコメントではなく本音の感想が欲しい」。そんな需要に応えるべく始まったこの企画。最初の方は好評で千鶴もノリノリで辛口コメントを書きこんでいたが、ある時千鶴の辛口コメントに対して痛烈な返信が送られてきて……。

ネット上の些細なやりとりをきっかけに日常の歯車が徐々にズレていく……というのが主なストーリーだが、本作はそれよりなにより千鶴と彼女のアンチであるPotter５のやりとりのインパクトが非常に大…続きを読む

怖いけれど面白い。読んでいてドキドキしましたが、結末まで一気に読みました。
カクヨムユーザーは全員が読んだほうがいい作品だと、個人的に思います。
全てのカク人に敬意を。全てのヨム人に敬意を。運営会社に敬意を。

ポエムら、いいぽなどの造語が面白いです。

ときとぎ、掲示板風の書き方になるのも面白いです。

さくっと読めます。テーマもよかったです

小説サイトで辛口コメント企画を立てている主人公。ある日、辛口に辛口で返してくるユーザーがあらわれて――。

辛口なのか悪口なのか――区別するのも難しいその裏には、誰もが持っているだろう攻撃本能がひそんでいる。なによりやっかいなのは、表面的な善意や正論で自身の攻撃性を正当化してしまうこと。そして、いったんむき出しになった攻撃性はエスカレートしていくということ。

全10話ですが、7500文字ほどなのでさっくり読めます。さっくりだけど、毒はちょっと強め。そしてある意味痛快。

ネットにひそむリアルな闇をリアルにえぐっています。

主人公は小説サイトの辛口コメント企画に参加して、読了した作品をバッサリと批評していく女性ユーザー。

しかし彼女のコメントに対して噛みついてくるユーザーが現れて、激しいストレスを感じてしまいます。そこで彼女は、つい他の古くからの友人とネット上のやり取りで陰口をたたいてしまうのですが……。

SNSをやっている方なら誰しも心に刺さるものがあると思います。
自分が発信したものに対して肯定的な人間、否定的な人間が現れて、承認欲求を満たし、あるいはやり場のない怒りを感じてどうしようもない気持ちにさせられる。

しかし、承認欲求を満たすことにとらわれた先にも、自分を批判した人間に対して攻撃性をむき出し…続きを読む

　最後まで一気読みしてしまいました。

　自分も他の方の作品にコメントやレビューを書かせて頂く事があるので……

　応援してるつもりが作者様にダメージ与えてたらどうしよう……

　とか色々考えさせられた作品です。

ネットでSNSを扱う者なら
誰しもが味わう出来事を題材にしたのは伊達ではないですね。

こういう日常の中にも物語があるのは実に発想がいいです。
作者の非凡なセンスの良さを垣間見えます。