第4話 最悪の一日

 最悪の一日だった。


 いつも乗ろうとした電車は、混んでいて乗れず、遅刻ギリギリで乗ったエレベーターは各階止まり。

 朝一番に読んだメールは、嫌な客からの罵詈雑言の書かれたクレームメール。

 いつも食べるランチは、売り切れ。

 午後の会議は、あまりにも退屈で眠ってしまい、上司から怒られた。

 定時で帰ろうとしたら、いきなりの残業。


「くそー、全部あいつのせいだ」

 ストレスと疲労で眼の前がくらくらし、イライラして夜道を歩いていると、

 ―  バンッ

「どこ見て歩いてんだ! バカ!」

 前から歩いてきた男にぶつかり、突き飛ばされた。


「い、痛い」

 擦りむいた膝から血がにじむ。

「全部、あいつのせいだ」

 目に涙が浮かんだ。

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