ここは魔法の国？

　魔法が物理空間における対称性に干渉する力だと物理的に説明され。その原理が応用され、社会の基盤となっている世界。人類はエネルギー問題を解決し繁栄を謳歌していた。
　いまや、魔法は社会になくてはならないものになっていた。

　量子時空ポテンシャルエネルギーの差異を魔法により取り出すエネルギープラントに勤める矢野貴之は、自分の適性にあっていると何の疑問もなく暮らしていた。
　ある日、「人間主義者」のデモに出くわし暴行を受けてしまった。
　その時に介抱してくれた女性と再開し、会話をかわす。その中で問われる魔法使いとしての自分。自分は魔法が当たり前の世界で暮らしている。でもここは魔法の国なのだろうか？