飼育員の憂鬱

＊「担当者の憂鬱」シリーズ
飼育員は思う。最近の飼い主は責任感がなさすぎる、と。昔の飼い主には情があった。やむなく手離す時には、行き先の確保に奔走したものだ。それが、最近の飼い主は要らなくなったものを捨てるかのように、安易に置き去りにする。小動物なら新たな引き取り手もあるが、大きな動物だと絶望的だ。また、マニアが破綻すると、かなりの動物達が路頭に迷うことになる。彼らが自活出来るように指導することも飼育員の責務だから、憂鬱の種は尽きない。そしてその日、彼らが園にやってきた――このタイトルとあらすじで、何故カテゴリーが『ファンタジー』なのかは、本文を読めば分かる。と言うより、読まないと全く分からない。