信仰は、救いにならない。ワイバーンは人を救う存在ではなく、ただすべてを焼き尽くす“災厄”だった。生贄の村や首長竜の真実を通して、人間の思い込みが静かに崩れていく構成がとても巧い。ただの討伐では終わらず、竜を神と見なす人間の弱さと、それでも立ち向かう意志の両方が描かれている点が印象的でした。軽快な掛け合いで読みやすさを保ちながら、終盤ではワイバーンを単なる敵ではなく一つの生き物として描き、討伐にほのかな重みと余韻を残しています。読後にじわりと残る良質なファンタジー。
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