第5話 夜はおやすみ

♪♪♪

暗い夜はおやすみ

温かい布団を掛けて、ぐっすりおやすみ

朝日が登るまで


怖い夜は一緒に

温かい布団を掛けて、ゆっくりおやすみ

日差しが差すまで


月夜に照らされて、いい子は眠る

家の中は大丈夫だよ、安心しておやすみ

いい夢を見ようね


妖精は月夜に踊る

誰も知らない真夜中の宴会

人は眠る時間、秘密の舞踏会


人は月夜に眠る

家の中で布団に潜り寝静まる

妖精は踊る時間、秘密の舞踏会


いい夢を見ようね



──────────



これは一種の子守唄だろう。

寝付けなかったり、夜が怖い子をなだめる歌だ。


電気のない異世界は夜は基本的に暗い。

暗いから怖い。

でも家の中なら大丈夫だ。


妖精たちはそんな月夜に舞踏会を開いて踊るという伝説があるらしい。


基本的に妖精たちは、敵対的なことをしなければ向こうから悪さはしない。善性の生き物と信じられている。

ファンタジー世界なので、伝説であると同時に実在もしているらしい。

俺は見たことがないが、とても綺麗で幻想的なのだとか。


妖精はたまに眠れない子のところを訪れて、慰めてくれる。

しかし寝てしまった子は朝起きるとそのことは忘れてしまう。

だから妖精に会ったことのある子は多いけど、記憶に残っている子はほとんどいない、ということらしい。


妖精そのものは見たことがなくても、妖精の痕跡を見ることはある。

その一つは妖精の粉と呼ばれる魔法の粉で、魔道具などの材料の一つだ。魔力がふんだんに含まれていて、効力を発揮する。

もう一つはフェアリーサークルというキノコが輪になって群生する現象が、妖精の仕業だと信じられている。


まあ、なんにせよ、世の中の話によれば、妖精は実在する。

ファンタジー世界だし、悪さをしないなら、信じてもいいと俺は思う。


日本で存在が怪しまれたが近年はいると書かれている、トゲアリトゲナシトゲトゲみたいだ。


そういえば妖精の姿は、十センチくらいの人型で蝶の羽がついているとされる。

鱗粉のような妖精の粉を振りまいて、ふらふらと飛び回るらしい。

そしてほのかに光を発するとされる。


よく見知ったファンタジーの妖精とだいたい同じだった。

もしかしたら、こちらの世界の住民や妖精そのものが、地球世界へ転生したのかもしれない。

そんなバカなと思うが、実際俺が地球側からこちらへ転生しているので、何も不思議なことではない。


何はともあれ、一度くらいは、美しい妖精を見てみたいなあとは思う。

(終わり)

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異世界音楽集 滝川 海老郎 @syuribox

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