息子に嫌味を言われながらも与吉の世話を焼いたおばあさん。
捨てられるはずだったおばあさんを、貧しいながらも自分一人で面倒を見ると言って引き取った与吉。
血の繋がりはない。
損得勘定もない。
おばあさんと与吉の、ただ純粋にお互いを大切にする想いが奇跡を起こした。
そして欲張りな息子には、奇跡の恩恵は一つもない。
善行には報いがあり、強欲には戒めがある。
与吉と信心深いお嫁さんは、きっと長者になっても周囲の者に親切にしたことだろう。
積善の家に余慶あり。
与吉の世代だけでなく子々孫々まで、優しい心を持ち、末永い繫栄がありますように。
民話らしい素朴さの中で、他者を思いやることの尊さを説く優しさが流れる作品。
ぜひご一読いただきたい一冊である。