第5話 僕でいい
僕は、走った。
急いで帰りたかった。
何もかもがどうでもよくて
走って、家のドアを乱暴に開けた
靴も、
コートも、
適当に脱ぎ捨てて
勢いに任せて
目に見えるものすべてを叩き落した
僕は、僕は、
聲にならない鳴き声をあげた。
私は正しい子だから、
こんなことをしてはいけない
うちがこんな事したら
誰もいなくなる
僕だってこんなに暴れたくはない
でも無性に怖くて
寂しくて
暴れずにはいられなかった。
沢山暴れて散らかった部屋の真ん中で
僕は、独り仰向けに寝転がった
走って帰ってきて、
激しく暴れたのだ
肩を震わせながら息を整えている
肩の揺れが、少しずつ収まっていく。
天井が、ぼやけて見えた。
散らかった部屋。
投げ捨てた服。
床に転がったノート。
ノートには、
僕が初めて書いた物語があった。
拙い文章だが、
僕はそこにいた。
私は正しい子じゃなくていい。
うちが消えたっていい。
そうか。
最初から、
僕はここにいたんだ。
これからも、
僕は僕のままでいい。
シュレーディンガーの僕 Question @Question_Renren
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