拝啓

光雨

拝啓


拝啓 


 とりあえず、生きてますか?


 まずそこが気になりました。あなたがこの手紙を読むことはないかもしれないから、聞いてもどうしようもないかと思ったのだけれど、自分のことでもあるような気がするので聞きました。まだ死ねてないとも言えますが、私はなんとか生きてますよ。絶えず何かがあるもので、楽であり続けることはできませんが、まぁ、心配しないでください。見えはしない過去のことです。


 さて、本題です。急ですが、いくつか聞きたいことがあります。


 いま、あなたには恋人がいますか?


もし居たら、次会った時に、


『会いたかった』


と伝えてみてください。恋人の反応は一体どんなものですか。良ければ詳しく教えてほしいです。あなたがどれだけ愛されているのかを私は知りたいのです。


彼女は笑いましたか。


それとも、泣きましたか。


『私はもっと会いたかった』


そう言ってもらえたなら、私はまだ生きていけるのですが。


 次に。


 あなたはその恋人にどれだけ自分を許せていますか。


 演じずに、または怨じずに、接することはできていますか。


抱きしめてもらえましたか。


あなたの侘しさはどうなりましたか。


『君と孤独になりたかった』


伝えることはできましたか。



 因果律って嫌ですね。私達を隔てるじゃないですか。それに、やたら理由を求めるでしょう。誰かを好きになることに、理由など必要ないというのに。恋や世界線が隔たれてしまうのは、全部運動不足が原因ですね。そんな光速の不文律に周回差をつけて、今度あなたに会いに行きますから、都合のつく日を宇宙に向かって叫んでください。


会えた晴れ上がりには、


『私達の全運命は悲劇なんかじゃない!』


そう、勇み合いましょう。


因果律の破れる場所で、破れない約束です。



 そういえば、私の宇宙はいま冬です。朝から彗星が降っています。なかなか止みません。あなたの宇宙はどうですか。春だといいな。だって、風が色づいて綺麗でしょう?


 とにかく、前向きにと、私は言えませんが

美味しいものでも食べて待っていてください。

近いうちに、そちらへ行きます。



追伸


 庭で揺れる氷の色が、薄水になりつつあります。あなたに見せたかった。

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拝啓 光雨 @HikaRi_aMe

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