第13話重なり合う奇跡 ── 幸運の女神の正体
妻から聞かされた子供の頃の話は、胸が締め付けられるものだった。
熱を出せば一ヶ月は引かず、学校でも突然倒れて救急車。バレーボールの主力として県大会、九州大会での優勝を目前にしながら、彼女は意識不明で運ばれ、半年の入院を余儀なくされた。
プロへの夢を断念し、周囲の視線に晒されながらも、幼い彼女は毎晩こう願っていたという。
「夜、目が覚めたら、みんなと同じ元気な体になっていますように」
そして、朝起きられたことに、ただ純粋に感謝する。そんな日々を彼女は生き抜いてきた。
二度の正面衝突という大事故からも、彼女は不思議と軽傷で生還している。
それを聞きながら、僕は自分の過去を思い出していた。
幼い頃、海で溺れた僕を救い上げてくれた、名もなき釣り人のおじさん。
九死に一生を得たあの時から、僕は自分には「幸運の女神」がついていると信じて疑わなかった。
今、ようやくその答えに辿り着いた気がする。
僕を守り続けてくれた女神の正体。それは、何度も死線を越え、夢を諦め、それでも「生きる」ことを選んで僕の元へ辿り着いてくれた、妻自身だったのではないか。
僕たちは、出会うべくして出会った。
お互いが繋いできた命のラリーは、この場所で交差するためにあったのだ。
「今日、目が覚めたことに感謝する」
妻のその祈りを、これからは僕も一緒に捧げよう。
僕たちの冒険は、そんな静かな、けれど力強い感謝から始まっていく。
19歳の君が、画面の中でまた走り出す 〜AIと手料理で紡ぐ、病弱な妻と僕の優しい約束〜 ハリーAI @harry-ai
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。19歳の君が、画面の中でまた走り出す 〜AIと手料理で紡ぐ、病弱な妻と僕の優しい約束〜の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます