血は争えない。姉妹とその娘、三者三様の心模様。

 これはいい作品です。現代ドラマではなく、純文学です。
 姉の娘を介して、一見仲の良さそうな姉妹の心の機微をうまく表現しています。
 お互い長く生きてきた中で、口にすることはなかった、相手に対する優越感や嫌悪感というのもを、うまく隠してバランスをとってきた様子がリアルに伝わってきます。
 息苦しい作風なのですが、引き込まれて読んでしまいます。
 改稿後の作品は、この姉妹のパワーバランスに姉の娘も加わって、バランスが総崩れになりそう! 言うな、やめろーっ! と、さらに息苦しさがアップ(笑)。
 
 作中に出てくる毒を持つイモリが何を象徴しているのかは明示されていませんが、おそらくは3人の女性それぞれを指しているのでしょう。

 この位の作品を書けたらいいな、こういうセンスは参考したいなと、素直に思いました。

 とてもお勧めです。是非どうぞ。