愉快犯による気まぐれ日記

本作は氏の「カイストシリーズ」という世界観を前提とした小説であり、はじめてこれを読むととっつきにくいかもしれません。

そのためあらすじで書かれている通り、カクヨム内の氏の他小説や、氏の個人サイトの小説群を読むことをお勧めします。

さて、この小説は「蜘蛛男」フロウのものであろう日記でして、フロウのいい加減で短絡で刹那的な快楽を求める傾向が強いことがよく分かります。

フロウは作中ではとんでもなく煙たがられていたんですが、本当によく分かりました。絶対に近づきたくない手合いです。

ただフロウは完全に、完全に悪人というわけではなく、善意にはほんの少し報いてやるかあというくらいの倫理観はあります。

その隠し味が、この愉悦犯を憎みに憎みきれないという良い塩梅になっています。もちろん、実際に関わりたくはないですが。

また、短文で終わったり長文で終わったり、カクヨムというネット小説を載せる場だからこそできる表現も適当さがよく現れていました。

「蜘蛛男」フロウの捉えにくい本質がよく分かります。面白かったです。