第6話 レオンの能力


レオンと一緒に公園に来ている。


日雇いの仕事で10万円はあり得ない……一体どれだけ、凄いんだろう……そう思ったから。


結果は『うん、凄い』『凄いなんて物じゃない』


100メートル……大体4秒……スマホで計ったから正確じゃないけど、この速さが異常なのは分かるわ。


しかも、道はトラックじゃ無くてただ舗装されただけの道なのに……それを4秒。


多分、オートバイや車より速く走れるんじゃないなかな。


そう、思える。


公園の駐車場にナンバープレートが外され廃棄されている車を見つけたから冗談で『これ持ち上がるかな』と言ったらレオンは軽々と、その車を持ち上げていた。


スマホでくぐると車は1.5トンあるらしいの。


それが持ち上がるなんて


凄い……


「レオンって王子様だったのよね? 体力が凄くある様に思えるけど……」


「俺の居た世界は本当に物騒な世界でな、森には魔物が跋扈しているし、魔族と人族は大きな戦争をしていた。平和な時代と違い王族だから戦わない。そんな選択は無かった。 俺も騎士の束ね役として戦場に立っていたんだ! 王子の他に騎士団総長もしていたから、多分、そのせいかも知れない。尤も、勇者に嫌われてあっと言う間に平騎士に落とされ……最後には王城も追われる事になったんだけどね」


そういうレオンの表情は何処となく悲しげに見える。


私もかなり悲惨な過去を持つけど、レオンは私なんかよりもっと辛かったんだろうな…….


「王子様で騎士だったんだ! まるで女の子の理想を詰めこむだけ詰め込んだみたい」


「あははっ、そうかな?」


ダダの王子様で騎士じゃない。


『異世界の王子様で騎士』というのが良く分かるわ。


私も芸能人だったから、アスリートとお仕事で共演した事もあったけど、こんな桁違いの体力をしていなかった。


「ねぇ、レオン……レオンは魔物や魔族と戦った事はあるのよね」


「そりゃ勿論!」


「どんな魔物と戦った事があるの?」


「単独で戦って狩れるのはグリフォンやオーガ、ワイバーン、集団戦なら地竜かな?」


どう考えても凄すぎる。


この世界の武道家は熊にすら簡単には勝てない。


レオンなら、きっと望むだけでどんな格闘技のチャンピオンにだってなれる。


だけど、果たしてレオンはそれを望むのかしら。


「レオン、レオンは今後どうしたい? なにかやりたい事とかあるの?」


「今はまだ、分からないな」


「まぁ時間はたっぷりあるからゆっくり考えれば良いわ」


「そうだね」


そう……ゆっくり考えればいい。


時間は幾らでもありのだから…….

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