第5話 レオンが居ない

う~ん。


昨日は本当に燃えちゃったぁ。


私はSEXって苦痛な事だと思っていたけど……うんうん、好きな人相手だと全然違うんだね。


嫌々やっていた事も自分からしたくなるんだから……さてと……うん?! 


嘘……レオンが居ない……


そうか、きっとトイレかお風呂だ。


私ってば本当にもう……お風呂……居ない……


嘘……トイレ……居ない。


レオン、まさか出て行っちゃったの?


嘘よ……嘘……


「うわぁぁぁぁーーレオンが、レオンが居なくなっちゃったぁ~」


何処行っちゃったの……


◆◆◆


「ハァハァ」


身バレするのすら気にせず、街中でレオンを探しまわった。


公園に、出会った路地……あちこち見て回ったけど……レオンは何処にも居なかった。


レオン、何処行っちゃったの……もう会えないのかな。


気がついたらもう夜になっていた。


多分、これ以上探してもきっとレオンは見つからない。


仕方ない……帰ろう。


今迄は気にならなかったけど……一人っ嫌だ。


一人は……寂しいよ。


うっうっ……べそを書きながら自分のマンションに戻ってきた。


マンションのエントランスに……


「どうしたんだい? なお….泣いて、なにか悲しい事があったの?」


鼻を掻きながらレオンが話しかけてきた。


「レオンの馬鹿、馬鹿馬鹿ぁぁぁぁぁぁーー」


走ってレオンに近づき胸に飛び込み、レオンの胸を何回も叩いた。


「なお……」


レオンは困った顔をしながらも私を抱きしめてくれた。


「うっうっ、レオンの馬鹿ぁぁぁーー勝手に出かけないでよぉ…… 居なくなっちゃったの……居なくなっちゃったのかと思ったんだからぁーー」


「なんだか、ゴメン」


「ううっ、お願いだから、お願いだから何処にもいかないでよ……」


「分かった」


「うん、それじゃ部屋に帰ろう……」


レオンの服の袖を引っ張りながら二人して部屋へと戻った。



◆◆◆


部屋に戻り、紅茶を二つ淹れてテーブルの椅子にレオンと向き合って座った。


ようやく、心が落ち着いて話す事が出来るようになったわ。


「すんすん、それでレオンは何処に行っていたのよ……」


「流石にこのまま、なおに頼りっきりという訳にいかないだろう? だから働き口を探しに行ってきたんだ」


「へぇ~そうなの?」


異世界から来たといのに随分しっかりしているのね。


「ああっ、周りに聞いたら、本来なら履歴書と言う物が必要らしいんだが、日雇いの仕事ならあるって言われて行ってきたんだ」


確かにそういう仕事の斡旋ならあるのは聞いたわ。


だけど、結構大変な仕事の割りにピンハネされてそんなに稼げないと聞いたけど……


「それでどの位稼げたの?」


騙されてないと良いんだけど……


「え~とこれだけ」


そう言ってレオンが見せてくれた封筒には10万円も入っていた。


「10万円も入っているじゃない……レオン一体どんな仕事をしたのよ……」


「ただの力仕事だ。ただ大きな岩を持ち上げたり、沢山の物を運んでいたら『重機以上だ』『10人以上の仕事を1人でだと』とか言われこの金額をくれた」


確かに体は鍛えられているみたいだけど……そこ迄凄いの。


「そう……」


「それで『賃金を割り増しで払うからこれからも頼むよ』そう言われたんだ。明日も行こうと思うんだけで、良いか?」


「ちゃんと言ってくれるなら、良いわ。ただ今日みたいに突然いなくなるのはやめてね……お願いだから」


「分かった」


本当に居なくなっちゃったのかと思って悲しかったんだから…….


もう勝手に居なくならないでよ……

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