第16話 合従
翌年、
「
彼らの起こした反董卓の動きは、よく漢の衰退を見越した各諸侯や群雄による決起である、という見方をされることがある。
確かに一国の相国となった董卓に対して反抗するということは、その権力基盤を確保させた朝廷に対して
──われの生殺与奪は董卓が握っているのか、諸将が握っているのか
そのことで恐怖心があったはずである。
ところが、この見方には疑問もある。
これまで
つまり董卓と献帝は距離が近いだけで、決して反董卓は漢から離脱する動きであると直結はできないだろう。
いずれにせよ、天子を守らんとして漢の内から決起したはずの諸将が、今度は天子のいる宮城の外から漢を攻めるような図式になったのは、この国の衰退を露骨に表す事態であった。
その反董卓を抱げる連合軍で盟主として推されたのが、
前述したとおり、袁紹は名門の生まれであり、ことに及んで果敢な人である。
──董卓、ひいては漢の軍は精強である
として攻め込むことを
しかし買われた能力は賊将を討った剛腕ではなく、そこに至るまでの機転である。
「袁太守は、何を思われて河内に駐屯されているのだろうか」
戦では機先を制する者こそが勝利するのではないのか。董卓の疑心が膨れ上がる前に軍を洛陽に入れてしまえば、自然と洛陽の内から董卓を討つ者が出るはずである。
──私の眼は狂っていたのか
そんな疑問が頭の中を巡った。
初めて袁紹の立ち振る舞いを見たとき、顔良は
──太陽のような人である
と感じた。言葉がはっきりとしていて、
この人の下で働きを重ねれば、まず間違いはない。この明るさと温かさに照らされない人はいないだろうという直観である。
しかし、ここでは軍をいつまで経っても進発させない。
「
と
これは当然、単純に怖気づいたというわけではなく、河内郡と洛陽のある
さらに言えば袁紹は盟主であって、その軍が打ち破られるようなことがあれば連合が離散しかねないという理由もある。
この文を本当に曹操から受け取ったのならば、袁紹はむしろ
──宴ばかりの
という感想を持っただろう。むろん記録には曹操は酸棗の軍にも送ったとあるので、曹操には水を背にしたとしても、勝つ道筋が見えていたのかもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます