第14話 宮廷
それから四年。
この年の三月は、先述した
しかしこの少帝の即位の際にも
霊帝に
結局この争いが劉辯側の勝利に終わり、蹇碩や董氏一派の排除という結果を招いたが、この事件はのちに繋がる禍根を残すことになった。
この騒動が一段落したのち、
朝廷の内外でいまだ汚職や搾取が行われていることに対して、効果的な対策を打てなかったことで宦官排除の議論が朝廷内外に紛糾したことや、自身もさきの後継争いで蹇碩に
当初、何進は名家の出身として名を知られていた
──悪しき
と意気込んで計画を
しかしここで待ったをかけた人物がいる。皇太后となった異母妹の何氏、そして義弟の
もともとこの三人はは
何氏は母に似た美貌を持っていた。それに目をつけた宦官に賄賂を送ることで後宮に入ると、そののち霊帝から寵愛を受けて貴人(後宮における最高位)となり、最初の皇后である
しかし彼女の性格は生来、激情家であった。
霊帝の
──このままでは我が身が危ない
と思ったのか王美人を毒殺した。
当然ながら霊帝は
──この
と激怒し、何氏を
宦官らが何氏を
何氏はこの行為に報いようとした。
そして何苗も彼女と宦官の間に生じている縁を重んじた。考えるならば、ある程度成長してから出会った兄よりも、幼い時から共にいた同腹の妹への方が情が強かったのだろう。
そうしてこの兄妹は、何進より宦官に
これに困ったのは何進であった。
さすがに
──わが弟妹にも害が及ぶ
と考えたし、これに乗じて
この姿勢を見た
「弱気になれば、それに漬け込むのが彼奴らですぞ」
と何進に決起を促したうえで、
「今の洛陽には
つまり、軍事的な圧力をもって圧し潰してしまうことを提案している。
これに反対したのは
「たしかに地方より軍を呼べば、太后らも怯えるでしょうし、宦官が武力蜂起した時も
双方の意見を聞き届けた何進は盧植らの意見に理があるとして、慎重な態度をとっていた。
だが
「いま決起しなければ、やがて大乱に繋がりかねません」
「洛陽の中にいる軍だけで突き崩そうとすれば、宦官に察知されたときに
「帝位を宦官の
などといって促した結果、何進は
──致し方なし
と
ところが、ここまでで期間を浪費した上に、議論の紛糾した場面もあって、何進らの動きは外部に漏れていた。
張譲の耳に入るのもその分早く、
「大将軍何進、洛陽に軍を
という偽の
張譲らは偽装した詔と、何進の首をもって都の内を掌握しようとした。
だが何進は人望があった。自らが高貴な生まれでないために、周りにいる者たちと足先を合わせることができる人物であり、そのことが宦官に対する反撃を生んだのである。
「何進将軍の仇討ちである。宦官どもは絶対に逃がすな」
何進の
この混乱の中、張譲ら少数の宦官は、少帝(劉辯)と陳留王(劉協)を連れて
「陛下、
董卓は笑みを浮かべて問いかけたが、少帝はここまでの動乱の恐怖で唇が震えて
「すまぬ」
としか言えなかった。
しかし、陳留王は
「陛下に傷はございませぬ。宦官らも横暴していたとはいえ、そこまで
とはっきりとした目と声で董卓に応えたのである。
──これは
董卓はこの時、目のうちに野望の火を灯した。
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