9話 プロポーズ前夜

春の夜、窓から差し込む月光がリビングを静かに照らす。

明日は二人にとって特別な日——プロポーズの日だ。

——R=2(信頼)、H=2(協力度)、M=2(会話の質)、P=2(感謝)。

夫婦指数は安定しているが、幸福指数をもう一段階上げる微調整が必要だ。


「綾音…今日は、少し落ち着かないね」

私はソファに座り、彼女を見つめる。


綾音も同じ気持ちらしく、少し手を握りながら答える。

「うん…明日、何が起こるか楽しみだけど、ちょっと緊張する」


——R=信頼は高いが、M=会話の質が緊張で少し揺れる瞬間。


夕食を作りながら、私は心の中でシミュレーションする。

——P=感謝の回数を増やす小さな工夫で、自然に幸福指数を微調整できる。


「綾音、今日はありがとう」

「私こそ、いつも支えてくれてありがとう」

微笑み合い、自然に手を取り合う。

——P=2→2.5に微増、幸福指数が少し上がる瞬間。


夜の片付けを終え、二人でベランダに出る。

「明日は…私たちの大切な日だね」

「うん、でもこうやって今夜も一緒に過ごせるだけで幸せだよ」


——小さな会話、触れ合い、感謝の言葉が、R・M・Pを微調整して幸福指数を高める。


月明かりの下で、二人はしばらく黙ってお互いを見つめる。

言葉はいらない。手を握るだけで、互いの想いが伝わる瞬間だ。


「智鶴…明日、私も楽しみだよ」

「うん、絶対に素敵な日になる」


夫婦指数は安定したまま、幸福指数は少しずつ8.5に近づく。

——明日のプロポーズに向けて、全ての準備は整った。


夜の静けさの中、二人は手をつないで眠りにつく。

——明日、長く安定し関係をさらに深める一歩を踏み出すために。

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