神様の秘密
村を出た私達は、再び森の中を絶賛移動中。
相変わらず魔獣ホイホイのオプションは健在だ。
今私達が向かっているのは、ウィムニスの王都。
そこで何か有力な情報が得られればいいんだけど。
そうそう、レオさんとラインさんも訪ねないとね。
それにしても、今まであれだけ
「世界の均衡を揺るがす何かが!」
って言ってたのに、今のところ世界は平和で
しかも私の召喚自体がイレギュラーだったっぽい
話を聞かされたら、村長に冗談で言った
「私の出現自体が大変なこと」
って話が真実味を帯びてくるんだよな。
そんなことを神様コンビに言ってみると
「それもあながち間違いじゃないのよね」
「そもそも神聖国の神官以外に、契約者の召喚ができる奴がいるってこと自体が問題なんだよ」
「そんなのがいるって時点で、何か大きなことが起こる可能性は高いわよね」
「そうだな。あ、それと、神聖国に入る前に、どうしてもやっておかなきゃならないことが1つある」
「顔を隠すことね」
「なんで?目立つから?」
突然顔を隠せなんて言い出した2人言葉に
思い出されるのは、アグニアでの出来事。
黒目黒髪が珍しいという理由で
あっという間に名前が知れ渡ってしまった。
しかし、それが理由ではないようだった。
言葉の真意を問えば
「鬼」という、化け物の存在を教えてくれた。
「何それ?昔はいなかったのに、突然現れるようになったの?」
「あぁ、そうだ。それもなぜか、神聖国内にのみ現れるって話だが…原因は俺達にも分からない」
「……前から思ってたけど、2人は神様なのに、この世界で起こってることをあんまり詳しく分かってないよね?」
私がそう言うと、2人はピタリと動きを止め
硬い表情になってしまった。
…言っちゃマズかっただろうか。
2人は顔を見合わせ頷き合うと
遮音の結界を張った。
なんだ?内緒話か?
「これはあんまり、自分らの口から説明したくねぇんだが…」
「私達はね、本体じゃないのよ」
「フェッ!?どういうこと?今の2人は分身体ってこと?」
「まぁ、そういうことだ。これから話すことは、俺達2人と神聖国の当代の国王、それから神官しか知らない超極秘事項だ」
「そもそも、なぜあの国だけが神聖国と呼ばれているかだけど…」
「契約者の召喚ができる神官がいるからじゃないの?」
「それも理由の1つだが、本当の理由はあの国に俺達の本体があるからだ」
「この世界では
「それだけでけぇ力だからな。ロクでもねぇやつが利用しようなどと考えねぇように、この世界を維持するための最低限の力を残し、自らその力を封印しちまったんだ。だから細けぇことは俺達に丸投げだ」
「私達は元々、最初に出会ったあの空間で、細々といろんなことをやってるのよ」
自らの力を封印し、動けなくなった魔核が残した
最低限の力、それがヴェールとヴィータだという。
手足にして、動かすための駒だったのだそうだ。
しかし、そこで予想外の問題が発生した。
「結論から言うと、私達は失敗作なのよ」
「力だけは一丁前に持ってるから、神ってポジションに収まっちゃいるが、倫理観が欠けた不完全な存在になっちまった」
「だから魔核は、私達が好き勝手しないように、あの空間に閉じ込めた。そして人間の手に負えないことが起こった時だけ、契約者という良心を伴い、この世界で力を振るうことを許したのよ」
「元より完成された存在なら、わざわざ2人になんて分かれてねぇだろうしな。この世界で起こったことは、神官がちょいちょい報告に来るんだが、契約者の召喚も
なんか、すごい話を聞いた。
でもちょっと…情報量が多すぎる。
一旦休憩させてほしくて、立ち止まる。
辺りはすっかり暗くなっていた。
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異世界の神はインモラル 崖っぷちのアリス @norikae-from-narou
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