仲間になりたそうにこちらを見ている

「ふぃ〜…相変わらず、えげつねぇな。やっぱお前、攻撃魔法向かねぇわ」

「もう少し調節できればねぇ」


気絶したドラゴン達を締め上げて拘束しつつ

2人が愚痴っていた。


どうやら私は、攻撃魔法自体に

適性が無いようなのだ。


最初の森で発覚したことなのだが

魔力を扱えるようになり

種々しゅじゅ魔法を練習したのだが

なぜか何度やっても、攻撃魔法だけは調節が効かず

最大火力になってしまうのだ。


「だからって、そんなに離れることないじゃん」

「いや、だって危ねえだろうが。お前の攻撃が、俺達にダメージを与えられる唯一なんだからよ」

「え、何それ。聞いてない」

「あら?まだ言ってなかったかしら?私達って色々繋がってるじゃない?だからカオリの攻撃は…そうね、内側から体を食い破られるって言ったら伝わるかしら?」


怖っ!

そんな、人を寄生虫みたいな言い方しないでよ。

相変わらず言ってないシリーズは絶好調だな。


初出しインフォに驚きつつ

拘束したドラゴンを色別に並べてみた。


うーん、レインボー。

…4色しかないけど。


そんなことをして遊んでいると

ボス4体が目を覚ました。


「やぁ、おはよう。目が覚めた?気分はどうだい?」


そんな風に声を掛けると

ボス達は完全に怯えて逃げ出そうとするも

拘束されていることに気付き涙目。


なるべく威圧しないように

ニッコリと笑顔で話しかけてみたのだが

逆効果だったみたい。

難しい。


「大丈夫だよ、もう何もしないって。ところで君達の群れはこんな感じであってる?」


色別に並べた拘束ドラゴンを指さすと

自らの群れの惨状を見て

顎が外れるんじゃないかと思うほど

あんぐりと口を開けていた。


「んー…ねぇ、やっぱアンタ達は私の言葉を理解してるよね?だったらさ、少し話を聞いてくれない?」


そう言うと、ボス達は大人しく

話を聞く姿勢になった。


これ幸いと、村での出来事と村長から聞いた話を

語って聞かせた。


するとボス達は驚きの表情を見せ

その後少し何かを考え込むような仕草を

見せたかと思えば、4体で目配せをし合った。


そして私に向かって、何かを期待するような

それでいてすがるような視線を向けてきた。


え、え、何?

何を期待されているの?


でもなぜだか、ちょっと覚えのある感覚。

これは………あ!!アレだ!


国民的人気を博した、RPGの戦闘後


「倒した魔物が起き上がり、仲間になりたそうにこちらを見ている」


のやつだ!


謎の確信を得た私は

思い切ってボス達に問いかけた。


「よし!それじゃアンタ達、うちの子になるかい!?」


その途端、嬉しそうに目をキラキラ輝かせ

輝かせて……あれ?なんか目だけじゃないぞ?

全身光ってる!


うわぁっ!

なんだコレ!?

ヴェールとヴィータと契約した時だって

こんなに光らなかったのに!


目を開けていられない程の光が収まり

恐る恐る目を開けてみれば

そこにいたのは、ドラゴンの角と羽を持つ

4人の美女だった。


「「あ」」


ヴェールとヴィータの「あ」が聞こえた。

これは、シリーズ発動確定だな。


んー…これは、あれだよねぇ。

どう考えても、目の前の美女達が

あのドラゴンのボス達だよねぇ。


…なんていうか、アンタ達メスだったんだね。


そんなことを考えているうちに

彼女達は私に押し寄せ、胴上げを始めたのだった。


     *     *     *


あれ?

ここまでの経緯を思い出しても

なぜ胴上げが始まったのかに関しては

何一つ謎が解けてないぞ?


うーん、カオス。

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