いざ、人里デビュー!
異世界に転生して、初めてこの世界の人間と
行動を共にすることになった私は
いろんな意味でドキドキしていた。
彼等は4人組の冒険者で
「雷鳴」という名のパーティーだそうだ。
メンバーは、最年長でリーダーのジン。
盾役と戦士を兼任する重装戦士。
格闘家のジャイル。
素手はもちろん、軽量の武器ならあらゆる物を
使いこなす、接近戦闘のエキスパート。
魔術師兼弓使いのファイ。
攻撃魔法と遠距離攻撃の専門家で
それ故に、索敵能力もピカイチ。
最初に質問をくれたのも彼女だ。
治癒師のニーナ。
回復だけでなく、補助魔法も得意なんだそうだ。
そして、何と言っても愛くるしい。
とても愛くるしい。
「すごい!治癒師って数が少ないんだよね?冒険者のパーティーに治癒師がいるって、なかなかのアドバンテージなのでは?」
彼等が自己紹介をしてくれた後
神様達から聞いた情報を元に
ちょっと食いついてみた。
話が広がればいいなぁ…と、思って。
「たまたまだったんです。私もまさか、自分に適性があるとは思ってなくて…。本当はあのまま故郷に残って、治癒師としてやっていくのも良かったんですけど、みんなが冒険者として旅に出るっていうから、どうしても力になりたくて、私も一緒に」
「俺達は、同じ街で生まれ育った幼馴染なんだ」
癒し系美少女のニーナがはにかんで答えてくれると
続けて、人懐っこい笑顔を見せて
ジャイルが教えてくれた。
うむ、かわゆい。
ヴェールとヴィータという
最強の美男美女コンビに目が慣れてしまったせいで
ジャイルとニーナのような
子犬&天使系の美少年美少女はとても新鮮である。
うむ、眼福。
そっかそっかぁ。とほっこりしていると
呆れたようにファイが聞いてきた。
「それにしても、それだけの量の魔石が集まるって、アンタどんだけ
「あー…えっと、1ヶ月くらい?」
「1ヶ月!?アンタよく生きてたわね!その間、私達以外に出会わなかったの?」
「………」
そういえば、会わなかった。
正確には、会えなかった。
魔力感知を使えるようになり
魔獣と人間の違いが分かるようになったものの
何故かあの2人は、人間の気配ではなく
魔獣の方に私を誘導したがった。
「アレは野盗よ」とか「お前にはまだ早い」とか
「もう少し経験を積んでから…」などと言って
私を人間に近付けさせてくれなかった。
…今思えば、あれは魔石を集めさせるための
誘導だったのでは?
極めつけは、通行料がかかるから一旦引っ込む
ときたもんだ。
がめつ過ぎんか!?
神のくせに!
お前らに現金は必要ないだろうが!
私があの2人の思惑に気付き
そっと拳を握り締めている間に
目的地に近付いたらしい。
それまで黙って先頭を歩いていたジンが
口を開いた。
「見えてきたぞ。あれが、ウィムニス王国、アグニアの街に入るための入国管理場だ」
少し先を見ると、森が終わり、道が開けていて
左右に伸びる歩道にも人の往来があり
皆、入国するために列を作っていた。
例に
通行料を払ってもらい、無事入国。
雷鳴の4人は、身分証があるから
1人200ゴールドで済んでいたが
私だけは3000ゴールドもかかった。
…あの2人、引っ込んどいてくれて
ホント良かった。
一時的とはいえ、9000ゴールドなんて
とてもじゃないけど、お願いできる額じゃない。
しかも、出会ったばかりの怪しい奴のために。
ってか、この世界の通貨って
「ゴールド」って単位なのね。
これは言ってなかったシリーズ発動確定やね。
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