一方その頃
とりあえず走り出して目的の魔獣を蹴散らし
魔石を回収。
と、ここまでは良かったものの
人間の存在に気付いた時には
アワアワと、滑稽なほど
「あ、えっと、ご、ごめんなさい。獲物、横取りしちゃいましたか?」
「いや……そんなことはないが…」
先頭で剣を構えていた厳つい男性が
明らかに
まずい。
思いっきり怪しまれてる。
ますますパニックになりそうなところへ
訝しさと怯えが混ざった複雑な表情を浮かべた
魔術師と
「あんた、何者?ここで何してるの?」
おぉ!質問してくれた!
自分発信でどう話を始めようかと悩んだが
質疑応答形式の方が、ナチュラルに話せるよね。
助かった。
お姉さん、ナイスアシスト!グッジョブ!
それから私は、契約者であることは隠し
田舎から出てきたばっかりで、道に迷ったと言い
人里に出たいが、身分証も現金もなく
同行して立て替えてくれる人を探していた。
と説明をした。
一応理解はしてくれたものの、納得はしていない。
顔に「怪しい」と書いてある。
ご
そこで私は、返済能力はあるということを
証明するため、集めた魔石を取りに行く
ことにした。
転移魔法。
これホントに便利。
教えてもらってから
試験的に何度か使ってみただけだったけど
実践投入は初めてだった。
青い猫型ロボットが出す、ピンクの扉のよう。
本来は、術式を展開してマーキングした場所にのみ
転移が可能という魔法らしいのだが
私の場合はその条件プラス、ヴェールとヴィータが
いる所になら、どこへでも飛べるとのことだった。
契約者特典だね。
魔石を取りに戻って来た私は
2人に交渉がうまくいきそうなことを伝えると
何故か、笑いを堪えているような感じで
「良かったな」
と一言だけ。
何だ?何だこの変な空気は。
疑問に思っていると
言ってなかったシリーズが発動した。
私達の間には、心臓と魔力の共有という
強い繋がりがあるため
互いの思考がある程度分かるのだとか。
と、いうことはだ。
こいつら…さては、さっきのテンパりまくってた
私にツボってやがるな…。
くそぅ。
「交渉がうまくいきそうなら、俺達は一旦入るぞ」
「?入る?」
「このままだと、通行料が3人分かかっちゃうでしょ?せっかく集めたんだから、なるべく節約して、手元に残しておきたいじゃない?」
「だから、俺達は一旦お前の中に引っ込んで、入国したらまた召喚してくれりゃいい」
「依り代の人形、持ってくの忘れないでね」
…神様にも節約という概念があることに驚きだ。
そして、そこはかとないセコさを感じる。
一時的にでも立て替えくれる
彼等の負担を減らそう、とかではなく
自分達の元手が減るからという
神らしからぬセコい理由。
「うーん、了解。じゃあ彼等の所に戻るよ?」
「おう、頼むぞ」
「よろしくねー」
人形になってしまった神様達をポーチに押し込むと
魔石が詰まった袋を担ぎ、彼等の元へ戻った。
その量を見て驚いたみたいだったけど
返済能力があると理解してくれたみたいで
同行と立て替えを、快く引き受けてくれた。
最初に出会えたのが、いい人たちで良かったなぁ。
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