儲け話には裏がある

言ってなかったシリーズが

後どれだけ出てくるかは不明だが

本人達も言っていたように

永遠を生きる彼等にとって

私もまた、数多あまたいる契約者の1人にすぎないはず。


誰に何を説明して、何を説明してないかなんて

いちいち覚えてるわけ無いよね。


うん、それはもう責められないな。

責められないけど、ツッコむことは許して欲しい。


それにしても…


「飲食も睡眠も不要だなんて便利だけど、ふかふかベッドで寝れないとか、美味しいものが食べられないのは、ちょっと寂しいな」

だけであって、わけじゃないからな。食いたかったら食えばいいし、眠りたかったら眠りゃいい」

「でもそのためには、先立つものと、安心できる環境を手に入れないと駄目よね!」


希望を見せておいて

一気に現実を叩きつけるのは止めて欲しい。


「うん、そうだよね。先立つもの…お金稼ぐためには、やっぱり仕事しなきゃだよね」

「いんや、もっと手っ取り早く稼ぐ方法がある」


ヴィータはそう言うと

先程倒した魔獣から入手した魔石を

私に投げて寄越した。


「これ?……あ!もしかして売れるの?」


さっき、魔石はこの世界のあらゆる物に

使われてるって言ってた。

ということは、魔石を扱う専門業者がいても

おかしくないと思う。


その考えは正解だったようで


「そう。当然だけど、質の良い物の方が高く売れるわ。色が濃くて大きいやつね。もちろん、そんな高品質な魔石を手に入れるには、相応の魔獣を倒さなきゃならないんだけどね」


なるほどねぇ……ん?待てよ?

ということは……


「しばらくこの森でウロウロしてりゃ、俺達の魔力目当てに魔獣が寄ってくる」

「それを倒しまくっていけば、体と魔力の使い方も覚えられるし、お金も稼げるってわけ!一石二鳥でしょ?」


こいつら……他人事だと思いやがって。


「アァ、ハイ、ソウデスネ。ではその体と魔力の使い方とやらを教えて下さい」


死んだ魚の目で訴えれば


「もちろんだ。できるようになってもらわなきゃ俺達も困るからな」

「任せてちょうだい!」


嬉々とした返事が返って来た。


…不安だ。不安しかない。

おかしいなぁ…私、こないだまで主婦だったよね?

夕飯のメニューに頭を悩ませてたはずなのに

いつから魔獣との戦いに頭を悩ませるように

なってしまったのだろう?


これは全部夢で、目が覚めたら病院のベッドの上。

なんてことはないんだろうか?

……ないんだろうな。


今はここが現実で、もう前を向くしかない。

と、頭では分かっているんだが…。

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