説明求む

ほーん。

なるへそ。


神様曰く、科学技術に相当する生活に必須な魔法は

人間の成長と共に、親や周囲の大人達に教わり

自然に学習し、この世界の人間なら誰でも使える

ようになるのに対し、医療技術に相当する魔法は

魔力の使い方が他とは異なる上に

治癒魔法に対する、適性も必要になるらしく

誰にでも扱えるものではないらしい。


治癒魔法が使える者達を「治癒師」と呼び

大きい街でも4〜5人

小さい村には1人いるかいないかの

希少な存在なのだそうだ。


「これからの訓練次第にゃなるが、俺達がいる以上、お前は最高位の治癒師に相当する力を得るはずだ」

「だから、もし人前でその力を使ってしまうと、騒ぎになる可能性があるから、気を付けてね」

「ふむ。心得た」

「それから、攻撃魔法も属性に対する適性と、使いこなすための訓練が必要になる」


曰く、科学が発展してない分

戦いの場において、主戦力は剣と魔法になり

適性次第で騎士になるか、魔術師になるかが

分かれるらしい。

各国、騎士団と魔術師団が国防をになっており

人数的には騎士のほうが多めなのだとか。


「国同士の戦いでも魔獣討伐でも、前線に出ることは騎士の方が多いからね。魔術師は後方支援。武具への魔法付与や索敵、結界を張ったり撤退時の転移だったりも魔術師団の仕事。ここに、治癒師も含まれるわ」


待って。

今また、聞き逃しちゃいけない単語が聞こえた。


「まじゅーとーばつ?何それ?おいしいの?」


現実逃避を試みた質問は


「まだ言ってなかったな。この世界には、魔獣と呼ばれる化け物がいる。ちなみに、魔獣は食えないぞ」


逃避は見事にスルーされ

現実だけを淡々と告げられた。


「心配しなくても大丈夫よ。人里には近寄らないように、結界が張ってあるから」


眩しい笑顔のヴェールさん。

この人…あ、人じゃないや。

この神様、ちょっと天然なんだろうか。


「人里にはって……ここは森の中だよね?」

「そうだな。この状況なら、いつ出くわしてもおかしくはないな」


おい…おいコラ!

フラグを立てるな!

睨みつけながら、脳内で突っ込んでいると……


ガサガサガザ…  グルルルルル…


茂みがざわめき、獣の唸り声が近付いてきた。


ちょっと!

言ってるそばからフラグ回収しに来てるじゃん!


焦る私の側にヴェールが寄り添い

ヴィータが前に立ちはだかった。


「初めてだからな。とりあえずどんなもんか、そこで見てろ」

「私が結界を張っておくから大丈夫よ〜」


2人にそう言われて、少し落ち着きを取り戻す。

そして音が近付いて来る方を注視した。


しばらくして茂みから飛び出してきたのは

黒いもやを纏った、一角獣のような姿だった。

目だけが赤く光り

こちらを激しく威嚇しているのが伝わってきた。

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