電話の向こうで一体何が……『未知』というお題に完璧に答えた傑作ホラー!

深夜の交番に一通の電話がかかってくる。
電話の向こうからは女性のかすれ声。
「未知人」なる名前の息子が、部屋から出てこないという。
引きこもり問題はもっと適切な相談窓口があるだろう、と迷惑がるお巡りさん。
それでも、息子を外に出す方法を母親に伝えてみる。
すると母親は「息子の可能性をつぶしたくない」と返答。
そして、『シュレディンガーの猫』を説明し始める――。


「部屋から出てこない息子」が部屋から出ない限り、彼は無限の可能性を持っている……。
息子はただの引きこもりか、はたまた有名ボカロPか!?
そのように確かに言えるのです。
とはいえ、やはり正常な判断からすれば、この母親の見解はただの現実逃避にすぎません。

それで話が終われば、ちょっとした笑い話になったのですが、この交番に、二通目の電話がかかってくるのです。
その通報は、どうやら母親と同じ住所のもので……。

ここからの展開が、超怖い!
「電話」でつながった向こう側も、一つのブラックボックスであることを、嫌というほど思い知らされます!
そして本作は、『未知』というお題に完璧に答えた物語だと実感いたしました!

超おススメです!
是非ともご一読を!!!

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