ほんのちょっとの出来事で全く知らない誰かと関わることになる。でもその誰かの人生と関わることの難しさ。分岐点でどちらを選択すればいいのか、何が正しいのかなんて分からないけれど、誰かを想う気持ちは確かなことだとそれを信じて前に進もうとする。時に人間臭い感情やズルさも描かれていて、他人との関り方を考えてしまいます。
遊び人のナルシストと優秀な大学生の二人の男性視点で物語が進んでいきます。ナルシストになった経緯だったり、偏見は持っていなかったはずなのに自分がそうなると戸惑ってしまったり。それぞれの人物には当然ながらそれぞれの物語があって、それらが少し重なり合う瞬間もあって。皆、最初は他人。でもちょっとしたきっかけで、他人は知人になり、そして更に先の関係になります。彼らのこの先の物語も見たくなりました。
一話一話を眺めるだけではただの人間観察のようでも、読み進めていくうちに、関わる人間が増えてくる彼と彼女はどこですれ違うのかああ、趣味が彼を繋げているこの鼻持ちならない男にだって、なんだか事情がありそうで人間を観察していれば、そこに物語がありますそれが、奇妙に絡み合っているのを読み進めるうちに楽しくなるただの人間が特別な個人になったとき、その人は読者にとってNPCではなくなる物語です