良い子のこぶたちゃん

こーの新

良い子のこぶたちゃん


小さな村の、小さな藁のお家。こぶたちゃんが窓から顔を覗かせました。


こぶたちゃんの朝は、お母さんのお手伝いから。お庭のお母さんのところへ走っていきます。


「お母さん、お洗濯、お手伝いする!」


「あらあら。こぶたちゃん。ありがとう。でも、届かないでしょう? 座って待っていてね」


お母さんはいつものように優しく諭すように言いました。こぶたちゃんは黙ってにこにこと笑って頷くと椅子に座ります。


お父さんが作ってくれた朝ご飯。パンにスープにサラダ。こぶたちゃんはご飯が大好き。


「いただきます!」


お母さんとお父さんと、三人で楽しい朝ご飯。


ご飯が終わると、お父さんはお仕事へ、お母さんもお仕事へ。こぶたちゃんは一人でお散歩へ。


いつもの道。いつものように歩いていると、お友達のうさぎくん。


「おはよう、こぶたちゃん」


「おはよう、うさぎくん」


二人は一緒に近所の公園に行きました。たくさんのお友達。みんなで鬼ごっこ。


「こぶたちゃんが鬼ね!」


誰かの言葉。こぶたちゃんは黙って笑って頷きました。


数を数えて、追いかけ始めます。けれどこぶたちゃんは足が遅くて追いつけません。一生懸命走るけれど、うさぎくんにも、うまくんにも、かばちゃんにも追いつけません。みんなはニヤニヤ。


けれど結局、すぐにみんな鬼ごっこに飽きてしまいました。


「ごめんね」


こぶたちゃんは謝ったけれど、みんなどこか不満げ。


「今度はかくれんぼにしよう」


「鬼はこぶたちゃんね」


「うん、分かった」


かくれんぼなら大丈夫。こぶたちゃんは一生懸命みんなを探して、何度か鬼を交代しながら日が暮れるまで遊びました。


「こぶたちゃんがいるときはかくれんぼだな」


「でも、もう隠れる場所なんてないよ」


みんなの声を聞きながら、こぶたちゃんはにこにこ。


また明日、とみんなとお別れ。


こぶたちゃんも手を振ってお家に帰りました。


「ただいま」


「おかえり、こぶたちゃん。楽しかった?」


こぶたちゃんは黙ったまま、にこにこと頷きます。


「そう、それなら良かった。お母さんはお料理をするから、こぶたちゃんは絵本でも読んで良い子にしていてね」


こぶたちゃんはお母さんの背中に無表情に頷きました。


絵本を読むこぶたちゃん。じっと、静かに。


「ただいま、お母さん、こぶたちゃん」


「おかえりなさい」


二人でお返事をすると、お父さんはお母さんの方へ。こぶたちゃんはにこにことそれを見送ります。お母さんとお話をしたお父さんは、今度はこぶたちゃんの方へ。


「絵本読んでるのか?」


「うん」


「良い子にできて偉いな」


こぶたちゃんは黙ってにこにこ。着替えにいったお父さんの背中を見送りました。


三人で夜ご飯。こぶたちゃんが大好きな木の実のサラダと果物。


「わぁい!」


「ふふ、喜んでくれて良かったわ」


「こぶたちゃん、ゆっくり噛んで食べようね


お父さんとお母さんと、仲良く夜ご飯。もぐもぐしながら、こぶたちゃんはにこにこ。


「さあ、食べ終わったら、お風呂に入って寝ましょうね」


「うん!」


こぶたちゃんは一人でお風呂へ。お父さんとお母さんが何か話しているのは、聞かないふりをします。


「あの子、本当に鈍臭くてね」


「ああ、だが素直に大人しくしていてくれるから良いじゃないか」


拙い手つきで身体を洗って、着替えをしたらお母さんとお父さんのところへ駆けて行きました。


「あらあら、こぶたちゃん。きちんと拭かなくちゃダメじゃない」


こぶたちゃんは黙ってにこにこ。言われた通りにタオルで拭きます。


「そうそう。偉いわね」


「ああ、こぶたちゃんは良い子だな」


こぶたちゃんはにこにこ笑って、頷きました。


こぶたちゃんはお布団にもぞもぞ潜ります。


「明日も良い子にしなきゃ」


お布団に入って、おやすみなさい。

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