第8話 違和感とおばあちゃん
おばあちゃん、またまたお久しぶりです。
今からようやくあの頃に時間旅行に行けそうです。あれからまた一年近く経ちました。実は、前回の時間旅行の後で制限をかけられてしまい、半年間会いに来れませんでした。
見に覚えのない、あの文化祭の当日のログがわたしの旅行記録に残っていたからです。ごめんね。
そのせいで、時間旅行の制約違反とみなされて、制限をかけられた。本当に知らないログで、そのようなログが遡るといくつも出てきました。
それでは久しぶりのおばあちゃん。行ってくるね。
とある高校の渡り廊下で高松真央が誰かを待っているような姿が見える。わたしは、音楽室でトロンボーンを吹きながら、その姿を眺めている。
やはり、由美さんの身体はわたしの意思では動かせない。次の瞬間、おばあちゃんの手から紙切れみたいなのが飛んで、渡り廊下のフェンスの先に落ちた。
おばあちゃんは、自分より少し高いフェンスをよじ登っている。次の瞬間だった。
鈍い音。おばあちゃんは、渡り廊下から地面に向かって落下した。心で叫んでも由美さんは全く動いてくれない。
すぐに救急車が到着し、警察がやってくる。
由美さんは、その様子を遠目に眺めている。
わたしの意識は、気を失うように飛び、現実に引き戻された。
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