第7話 夏が終わり、秋になって
おばあちゃん。いえ、高松真央さんお久しぶりです。あれから、もう2年が経ってしまいました。
きっとあの世界でも2年か。おばあちゃんは、きっと中学3年ですね。
花火大会のログ。あれ以降少しだけ、この時間旅行の意味を考えていました。しばらく期間が開いたのは、わたしの現実で色々とあったからです。
では、今から会いにいくね。
黒板には大きく、文化祭まで2日と書かれている。
おばあちゃんを探して、体育館まで歩くと男女カップルが見えた。カップルと言っても親しげなだけで、恋人には見えない。2人は、文化祭で上映する学校PR動画で盛り上がっているようだった。
おばあちゃん、よく文化祭実行委員の話をしてたから。やっぱりね。
でも、相手はおじいちゃんじゃないね。写真で見た面影はない。まぁ会ったことないから。孫の勘。
わたしが入り込んでる由美さんは、どうやら彼に用があるみたいだけど、やはり見ているだけ。
時間旅行で改変なんてやっぱり無理かもしれない、他人だからなのかわたしの意思はあまり外には出せない。もしかしたら花火大会の日、駅まで歩いたのも由美さんの意思だった?
それなら、あの日由美さんが探していた人がこの人になるんだろうか。これは、女の勘。
ひとしきり話をした2人は、教室に戻っていく。わたしは、久しぶりに幸せな顔をしたおばあちゃんを見たような気がした。
2人の後を追おうとした瞬間、急激な眠気。あーもう終わりか。
わたしは、現実に引き戻されていた。
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