天然美少女、降臨
@kiokunomaikyuu
第1話
天然美少女、降臨
天然美少女のせいで、僕達は社会的に死にそうです
高校生編
学園ラブコメ
高坂 夢(こうさか ゆめ)
顔面女優級。天然美少女。
神代 颯真(かみしろ そうま)
洗礼されたイケメン。チャラい教師。
剣持 弘人(けんもち ひろと)
イケメン。訳ありクラスメイト。
高澤 翔(たかざわ かける)
フツメン陽キャ男子。部活が同じ。
早瀬 美波(はやせ みなみ)
高坂の友人のギャル。クラスメイト。
清水 真理沙(しみず まりさ)
高坂の友人の優等生。クラスメイト。
この話は、17歳の未成年であり、誕生日が遅いヒロインに対して、
18歳以上の成人男性3人とも惚れたら社会的死が待っているという物語である…。
彼女は、高坂夢。
名門のお嬢様学校の女子校育ちで、共学は初めての今年高校三年生である。
女子校では、高坂は人気があった。
かなり可愛い上に空気読めるし、長話にもニコニコしながら応じる。
肯定的で、何でも受け入れるので、癒され女子として人気があった。
しかし、高坂の内心は…
(何を言っているのか分からない!)
「今日の経済学の授業で…」
「最近の行政の動きを考えるに…」
偏差値70の壁に追い込まれていた。
自分はどう頑張っても偏差値50の眠くなったら即寝てしまう体質である。
この偏差値20差の言語化理解不能フィルターが、毎回高坂の頭を悩ませていた。
A「高坂様はどう思いますか?」
と食事だけ共にするクラスが違う女の子(A)が言う。
B「ちょっと、やめなよ!」
と高坂のクラスメイトの女の子(B)が止める。
A「え?何が?」
Aの発言を受け、高度な話について行けない高坂は、同じく、何が!!と思ってしまう。
Bは、高坂をチラチラと見ながらも何も言わなかった。
なので、高坂は馬鹿なのがバレないように適当な事を言う。
「そうですね。皆さんの意見はどれも素晴らしいと思います」
と、姿勢良く薄く微笑みながら穏やかに言うと、キャアキャア!と言われて、流石高坂様〜!と言われる。
それに、Bは安心したみたいなホッとした顔をする。
いやいや、中身すっからかんだからな!とツッコみたくなる受け答え。
女子は基本、自分の事を否定せずに聞いてほしいという心理を利用した抜け道!
これによって、高坂は見た目はかなり頭が良さそうに見えたので、どうにかこうにかして、切り抜けてきた。
しかし、クラスメイトには、授業中当てられた時の反応で、全員に高坂の学力レベルは筒抜けだった。
そして、高坂は、顔が良く、性格も穏やかで、薄く微笑みながらも、何事も否定せずになんでも聞いてくるので、女子から好かれていた。
なので、この子守ってあげないと!とクラスメイト全員に思われていた。
しかし、高坂自身は上手く切り抜けられている!と思い込んでいた。
勿論、教師にはバレており、義務教育までならと言われていたのだが、親が有名俳優なので、説得され、高校までは置いてもらった。
そして、大学受験を控えていたのだが、もう名門女子校には置いておけない。と突然言われた。
この学校は学力一本勝負の学校で、偏差値70超えのお嬢様学校としての高いプライドがある。
大学進学実績維持のため、2年生からは厳しくなり、学力基準を明文化しているのだが、
高坂は補習や追試の機会は与えられたものの、改善できなかった。
この学校は高校まで。
高坂には推薦の話は来ていない。
生徒の大学進学先が学校ブランドに影響するとして、とうとう別の学校に行ってくれと追い出された。
高校三年生になる少し前、学力普通の高坂夢を受け入れてくれたのは、共学校だった。
幼稚園から女子校だった為、ドキドキしてしまう。
(うわー、男の子がいっぱいいる!)
そして、少女漫画で顔面偏差値の基準が爆上がりしている彼女は、周りにいる男の子達が、モブ男子に見えていた。
しかし、周りは違う。
誰もが高坂を振り返る。
彼女はかなりの美少女で、良い匂いのする健康少女だった。
共学って思ったよりも普通だなぁと、誰にも話しかけられないので、何となく詰まらなく思っていた。
でも、かなり視線は感じていて、ヒソヒソと何やら話している。
2年間この学校で一度も目にした事がない生徒なので、周りから見ると興味の対象であるのだが、オーラが自分達とは違いすぎた。
故に、誰も話しかけられない。
なので、馬鹿なのを隠すのが習慣化している高坂は、自分からは積極的に話しかけられないので、ちょっと寂しいなぁと思いながらも外をぼんやりと眺めていた。
「はーい、皆。神代颯真先生だよ〜!新米だけどよろしく!」
とそんな感じだったので、ホームルームで突然現れた赤髪、金目の派手派手教師に簡単に目を奪われた。
(か、カッコ良い〜〜)
周りがフツメンだらけなので、少女漫画に出てくる洗礼されたイケメンレベルの神代が、かなりイケてるように見えた。
なので、ジーッと見つめてしまう。
名門女子校は、おじいちゃんぐらいしか男性はいなかったので、高坂は、共学に来て良かった!と思った。
「あ、まゆみちゃん、ちょっと来て。あ、蓮もちょっと来い」
自己紹介すると、直ぐ様生徒全員を名前呼びし始めた。
女子生徒はちゃん付けで柔らかい感じ。男子生徒には少し命令口調。
一回聞いただけで、全員の名前を覚えたみたい!凄い!と感心してしまう。
「あの先生、先生としてヤベェな」
「距離感可笑しいわ」
「でも、あの先生ならなんか言いそう」
「「「それはある!」」」
最初は少し違和感をもたれていたみたいだけど、見た目派手なので、直ぐに馴染んでいく。
「今日日直は、…夢ちゃん」
「あ、はい!」
名前で呼ばれた!!とドキドキしてしまう。
「これ、持って行くから手伝ってくれない?」
「はい!」
近付くと、バニラとムスクの甘さが広がり、ほんのりウッディの落ち着いた大人の雰囲気のある匂いがする。
でも、男性の香水の知識がない高坂は、
バニラみたいな甘い匂いがする!良い匂い!
と単純に思った。
「俺と同じで今年からこの学校に編入したんだってね。初めて同士よろしくね〜」
と軽〜く距離を詰めてくる。
誰にでもこんな感じなので、違和感はない。
違和感はないけど、女子校育ちで、誰からも声をかけてもらえなかった女の子の心を擽るには十分なチャラさだった。
天然美少女、降臨 @kiokunomaikyuu
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