半殺し状態
那須茄子
半殺し状態
砕けたガラスが
この胸を突き刺して
心臓を喘がせる
ここが痛んだろうと
ここが苦しいんだろうと
深く深く
その都度はねる脈を確かめては
更に致命傷を与えてくる
血のように溢れる記憶が
静寂を染めていく
声にならない叫びを
深海の底へ投げ込んでも
ただ反響するだけ
それでもまだ
砕ける
半透明なすかし色で
微かな温もりを探しているから
このガラスは
暗闇の中でも
妖しく成れるんだな
どうかしてる
本当にどうかしてる
笑いながら泣いている
知らない孤独を爆発させて燃え尽きる頃
灰になったというのに
まだ燻っている
消えたはずの火が粉になって
指先を焦がし
まんまと照らし出されて
この胸の奥を嫌がらす
砕けたガラスは
この胸を突き刺して
心臓を喘がせる
壊れた輪郭をなぞりながら
ここが痛んだろうと
ここが苦しいんだろうと
深く深く
その都度はねる脈を確かめては
更に致命傷を与えてくる
殺したいなら
犯したいなら
ひと思いにやれよ
半殺し状態 那須茄子 @gggggggggg900
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
近況ノート
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます