筆名に込めた祈り

天灯星

筆名に込めた祈り

 さてはて、自分語りはあまり得意ではありゃしせませんが、一つ語らせていただきましょう。


 私の筆名は天灯星あまひせい。ここに込めた願いは、天に灯る星になりたいです。 それを縮めて天灯星。


 お星様になりたいなどと言うと、頭お花畑あるいは自殺志願者かと思われるかもしれませんが、もちろんそうじゃありません。


 私は巷でこんな話をよく耳にします。

 私は誰それより美しい。

 私は誰それより賢い。

 私は誰それよりもお金持ち。

 私は誰それより多くの友達がいる。

 私は誰それよりPV数が多い、星が多い、ハートが多い、などなど。


 誰それ、誰それ、誰それ、誰それ。

 彼らは皆、他の誰かと自分を比較することで己を定義します。


 では、ここで一つクエスチョン。

 もしも、自分以外の人間が消え失せたとするのなら、彼らはどうやって自分を定義するのでしょう?


 できるはずがないのです。


 彼らは比較する人間がいてこそ存在できるのですから。比較する対象がいないのであれば、彼らはたちまち雲散霧消してしまう。


 それこそ、太陽が無ければ輝くことのない月のように、夜の闇に飲まれてしまうでしょう。


 私はそうはなりたくなかったのです。誰かの輝きの反射光として生きるのはまっぴらごめんです。


 だからこそ、私は星になりたい。


 星は自らを燃やし、夜空に輝く。他のものがそれに寄与することはほとんどありません。


 自分の目で、耳で、肌で感じたものを自らの中で核融合させ、あの凍てついた静謐な空間でただ独り煌々と輝く。


 私はそんな人生を送りたいのです。


 であれば太陽でも良くないかと尋ねる人もいるかもしれません。


 ただ、太陽はどうにも近すぎる。時に全てを燃やし尽くし、干上がらせてしまうこともありますから。


 別に一等星になりたいわけではないのです。それが五等星でも六等星でも、あるいは人には感じ取れないごく僅かな光でも構いません。


 それがどれだけ儚き光であろうとも、自らの手で己を確立できたならば、私はあの夜空に確かに存在しているのですから。


 そして、成れるかどうかは分かりませんが、今暗闇の中でもがく人たちのしるべとなれたなら、他に望むことはありません。


 以上が、私の筆名の由来です。

 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。














 ちなみに余談ですが、当初は天灯の読みを〈あまひ〉ではなく〈あまずき〉にしようかと思っていました。


 鬼灯のことを〈ほおずき〉って読むんだから、灯は〈ずき〉って読むんだろ。


 そんな風に安易に考えていた私は、鬼灯は熟字訓でありそれ以外では〈ずき〉とは言わないことを知って、読み方どうしようと頭を抱えたのはここだけの話です。


 さらに余談。


 天灯星の星はかの偉大なSF界の巨匠、星新一先生にあやかっているところもあります。


 そのため、天灯星の書く文章には過度なブラックジョークが多分に含まれる場合がございます。用法要領をしっかり守り、お楽しみいただければ幸いです。

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筆名に込めた祈り 天灯星 @amahi_sei

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